「全身の90%以上にやけど」症状と治療方法は?青葉真司容疑者の治療費と支払い状況についても

アニメ制作会社「京都アニメーション」第1スタジオの放火殺人事件で、青葉真司容疑者(41)が、全身の約90%にIII度のやけどを負っていたことが明らかになりました。

III度のやけどとは、皮下組織まで傷が達する重いやけどを指し、専門家によれば全身の90%以上にやけどを負った重篤な患者への治療としては過去に例がないとのこと。

前例のない90%のやけどとはどのような状態なのでしょうか。また治療費、支払い状況についてまとめました。

「全身の90%以上にやけど」症状と治療方法は?

アニメ制作会社「京都アニメーション」第1スタジオ(京都市伏見区)の放火殺人事件で、青葉真司容疑者(41)=殺人などの容疑で逮捕状=が、皮下組織まで傷が達する重いやけどを全身の約90%に負っていたことが26日、医療関係者への取材で分かった。出典:共同通信

青葉容疑者のやけどのレベルでの治療は「過去に例がない」ということですが、全身の90%が重度のやけどになった場合、どのような症状になるのでしょうか。

痛みも感じない

皮下組織まで傷が達する重いやけどを起こした場合、傷は神経に達するため知覚神経傷害により痛みはほとんど感じないと言います。

そのほか、

しかし血液の水分が急速に失われることで、栄養分や酸素を供給できなくなる。仮に体重60キロの人が、95パーセントのやけどを負うと、1日に20リットル以上の水分を補う必要がある。(出典:産経新聞)

臓器へ流れる血液が不足し、臓器不全、敗血症の危険がある。(出典:産経新聞)

空気中にいる細菌などに体の内部が直接さらされ、重傷感染症の危険がある(出典:朝日新聞)

皮膚は自然に「再生」しない。(出典:COMPAS)

といった症状も。(出典:産経新聞)

やけどを負った患者は「全身に占めるやけどの面積の割合に、年齢を加えた値(=熱傷予後指数)」が100を上回ると、患者の死亡率が50%を超すと言われています。

青葉容疑者の場合は90(%)+41(歳)=131となることから生存確率50%以下の中での生存ということになります。

熱傷の広さは深さごとに算出されます。体表の皮膚全体を100%としてII度とIII度の面積を足した面積が熱傷面積とされ、I度熱傷の範囲はこれに含まれません。

またII度の面積の半分とIII度の面積を加えた値は熱傷指数(Burn index)と呼ばれ、重症度の指標とされます。さらにこの熱傷指数に年齢を加えた値は熱傷予後指数(Prognostic burn index)と呼ばれ、一般に100を超えると命の危険性が非常に高いとされます。

しかし、これはあくまでも指標であり、これよりはるかに熱傷予後指数が低い患者さんでも、それぞれの状態(持病や熱傷を負う前の生活状況)により命にかかわる危険性があります。(出典:COMPAS)

治療方法

青葉容疑者の場合、初期の治療で他人の皮膚の提供を受ける通常の治療法を採用せず、自己の組織を培養してできた皮膚や人工皮膚だけで救命されたことが明らかになりました。(出典:共同通信)

(青葉容疑者の)初期の治療には「人工真皮」と呼ばれる人工皮膚を使用。その後、自分の皮膚組織の一部から培養して皮膚を作り出す「培養表皮」を使って移植する手術を繰り返した。培養に時間がかかるため、その間に人工真皮だけで治療するのは難しく、感染症などへの高度な対策が必要になる。

提供皮膚を使わない条件下で広範囲のやけどを治療するケースはほとんどなく、結果的に初の事例につながった。来年にも学会で発表される見通し。出典:日刊スポーツ

また全身火傷の患者の治療方法については「重傷熱傷患者の治療経験」にて以下のような手順で行うことが示されています。

1重傷熱傷患者の治療 については初期 には全身循環状態の安定させ、代謝異常をコントロールすること

2、初期を乗り切ったのちには重傷感染症や敗血症を防止する

3、植皮を繰り返し、少しでも早く創部の上皮化をはかる

4、生命の危機を乗り切ったのちは火傷の引きつれに対する手術やリハビリを行う

(出典:「重傷熱傷患者の治療経験」より

青葉真司容疑者の治療費と支払い状況は

青葉容疑者の治療費に関しては27日、容疑者の弁護士が会見で説明。

一部報道によれば「大量の輸血、皮膚移植など、高度な集中治療が行なわれてきた。入院費を合わせると1000万円近い治療費が発生しているといわれている」と言われていますが、

弁護士は

「逮捕前、逮捕後にかかわらず、本来は容疑者の自己負担です。国民健康保険など資格を得ていれば、もちろん保険が適用されます」と説明。

事実上は国や県が支払うケースもある

しかし、支払い能力がない同容疑者の医療費支払いについては「重要事件の容疑者を死なせないために、事実上は国や県が支払うケースもあります」といった説明もされました。

自己負担の義務はあるものの、事実上、税金で支出される可能性が高いと言われている現状です。

「大量の輸血、皮膚移植など、高度な集中治療が行なわれてきた。入院費を合わせると1000万円近い治療費が発生しているといわれている」(全国紙記者)

気になるのは、この治療費は誰が払うのかということ。北村法律事務所の北村明美弁護士が解説する。

「逮捕、勾留後の治療であれば警察、つまり税金で払われますが、逮捕状が出ているだけの段階だと容疑者に支払い義務が生じる。ただ、これは『容疑者に支払い能力がある場合』のみ。なければやはり税金です。青葉容疑者は無職と報道されていますから、支払い能力があるとは考えにくい。よって税金から支出される可能性が高いでしょう」出典:日刊スポーツ

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