青柳拓郎さんが死去「パルスオキシメータ」開発し何百万人もの命を救う・対新型コロナウイルスにも貢献

米情報誌「NEW YORK TIMES」は1日、指先で酸素濃度を図ることができる医療機器「パルスオキシメーター」の開発者・青柳 卓雄氏(84)の逝去を報じるとともにその功績をたたえました。

パルスオキシメーターは氏の研究によって原理が作られ、今や現在の医療業界においてなくてはならない存在となっています。同紙はまた、彼の発明により何百万人もの患者がこの機器によって命を救われた」と報じています。

青柳拓郎さんが死去「パルスオキシメータ」開発し何百万人もの命を救う

「NEW YORK TIMES」によると、青柳 卓雄氏は今月18日に亡くなり、親族の回答から青柳氏の原因は不明としています。

また同氏が長年にわたり勤務していた日本光電工業株式会社は先月27日のプレスリリースで逝去にふれ、以下のようにコメントを発表しています。

青柳 卓雄氏逝去について(代表取締役社長執行役員 荻野のコメント)

青柳 卓雄氏は、1971年の入社から現在に至るまでの約半世紀の長きに亘って、パルスオキシメータの研究開発に従事されました。

1974年に、世界で初めて光を使って血液中の酸素飽和度を非侵襲に連続測定することのできるパルスオキシメトリの原理を発明され、今やその技術は世界中の医療現場に普及し、全身麻酔手術の安全性を飛躍的に高め、世界中の多くの患者さんの命を救っています。

まさに、パルスオキシメータの発明は、世界の歴史に残る偉業となりました。この功績により、2002年に紫綬褒章を受章、2015年には日本人として初めてIEEE Medal for Innovations in Healthcare Technologyを受賞されました。

現在、世界的に猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症の治療においても、患者さんの容態把握にパルスオキシメータはなくてはならない重要な役割を担っています。研究開発に真摯に取り組む姿勢は、医用工学に従事する者にとってまさに模範でありました。

つい先日まで、パルスオキシメータの抜本的改良に向け、精力的にご活動されていたお姿が思い出され、残念でなりません。謹んで哀悼の意を表すとともに、ご生前のご功績をしのび、心からご冥福をお祈り申し上げます。

日本光電工業株式会社
代表取締役社長執行役員
荻野 博一

開発し何百万人もの命を救う・対新型コロナウイルスにも貢献

カリフォルニア大学サンフランシスコ校の医学名誉教授であるV.コートニーブロードダスはパルスオキシメータは「医学に欠かすことのできないもの」になっていると言います。

かつて体温、血圧、脈拍、呼吸数という4つのバイタルサインによって測定されていた医学会において、青柳 卓雄氏が開発したパルスオキシメータは非常に画期的なものでした。

特に「酸素濃度」は他のバイタルサインとは異なり自覚が困難であることもあり、今日の新型コロナウイルスによる感染症の患者にとって特に不可欠となっています。

さらに、重症化した場合急速に重体化する新型肺炎はその危険度にも関わらず自覚症状がない患者もおり、そうした患者にとってもなくてはならないと言います。

1人の優れた研究者の努力が現在も多くの患者の命を救い続けています。