コロナウイルスは「20日で収束」中国の専門家が提言・王毅外相も「感染は抑制が可能」

感染が広がる新型肺炎について、中国最大手メディア運営会社・新浪新聞は28日、中国のウイルス学の専門家へのインタビューで「コロナウイルスの感染拡大があと20日ほどで収束に向かう」と説明を受けたことを明らかにしました。

この報道は北京新華社通信、市民日報などが複数報道。

中国の大手報道ニュースで取り上げられたこの報道は真実か、それとも・・。

コロナウイルスの感染拡大は「20日で収束」

新浪新聞のインタビュー形式での報道によると、「流行の予防と制御はどのくらいの期間予想されるか」に対する回答として、福建保健医療委員会教授/復旦大学の医学分子ウイルス学の研究を行う専門家・温玉明氏が次のように回答したと言います。

「一定の措置を講じた後、流行状況を徐々に制御できるようになるはずです。

確認された症例の数は現在、一部の人々が20日以上前に感染したためであり、現在取られている対策は、将来の二次または三次感染の可能性を防ぐことに繋がります

したがって、一般的に、流行の広がりは約20日後に減少します。」

「控制武漢人員進出、公眾少出門,都是很好的社會性措施。」中國工程院院士、復旦大學教育部/衛健委醫學分子病毒學重點實驗室教授聞玉梅認為,在廣大人群中採取一定措施后,疫情應該能夠逐步得到控制。現在確診病例增多,是因為有些人20多天前已經感染,現在採取的措施是為預防以後可能的二次或三次感染。因此,一般來說,約20天后疫情擴散勢頭會有所下降出典:新浪新聞

温玉明氏は、”現在の対策がウイルスの封じ込め策として効果を発揮しており、この状態を継続すれば20日以上で結果が出る”と、現在の中国の封じ込め作戦の効果を評価。

また、流行が広がる中でも人体は必然的に微生物に対する免疫を生成するため「免疫を持つ人口が増加し、流行は最終的に終了する」とのこと。

聞玉梅說,現在的措施20多天后會見到效果。在疾病流行過程中,人體必然會產生針對該微生物的免疫,群體的免疫能力提高了,最終疫情也會終止。出典:新浪新聞

中国・王毅外相もコメント「感染は抑制可能」

予防と制御にある程度の困難も

そのほかの疾病管理や医療の専門家もこの「ウイルスの収束」については肯定的な見方を示しており、「科学的管理と正確な政策実施が行われている限り、伝染病の予防と管理が確実に勝つと信じている」とかなり確信めいたコメント。

しかし一方で、このウイルスの特性がSARSの時と異なる部分もありある程度の困難や過小評価できない部分も認めています。

その困難とは、潜伏期間が長く発見が遅れること、そして比較的早い速度で感染が広がっていること、重症度が想定よりも高いことなどが挙げられます。

コロナウイルスの収束を阻むもの①長い潜伏期間中に感染が広がる

20031月に流行したSARSの予防管理に関わったコロナウイルスの専門家、北京ユニオン医科大学病院感染症部長のLi Taisheng氏によると、新しいコロナウイルスに感染した肺炎はSARSほど速く進行ないとのこと。

しかしこのことが、発見と対応を遅らせるために、無症状のうちに感染を拡大させると言います。

多くの専門家は、新しいコロナウイルスが典型的な症状なしに潜伏期間中に伝染することを確認しています。

SARSウイルスの潜伏期間が平均で6日間であるのに対し、新しいコロナウイルスは9日間。そのため、予防と制御が非常に困難になります。」

コロナウイルスの収束を阻むもの②予想よりも重症化する

Li Taisheng氏によると、常識ではウイルスの潜伏期間が短くなるほど、その病原性が強くなり病原体の数が多くなるとされているとのこと。

そのため、本来この考え方で行けば潜伏期間が9日(〜14日間)であることが確認されている新型肺炎は、潜伏期間が短いSARSに比べ、重症化しにくいと考えるのが妥当。

「しかし現在発表されているデータによると、新しいコロナウイルスによって引き起こされる肺炎の重症度は、SARSの重症度と比較しても変わらない。これは非常に珍しいことです。」出典:市民日報