日本各地で豪雨の被害の報告が相次いで報告されています。土砂災害地域・浸水地域では生活確保のための早急の復旧作業が望まれる一方で、新型コロナウイルスの蔓延防止策や広範囲の被害により、これまで以上に人手不足も予想されます。
今回は床上浸水の被害にあった場合に推奨される掃除方法と、その際の注意点についてまとめています。
床上浸水した家の掃除方法は?
床上浸水の被害を受けた家庭は、家財の多くを失ったり、生活に著しい不便をきたすこともあり生活が一変する場合もあります。
誰もが1日も早い現状復帰を望むところですが、床上浸水時は次のことに留意して作業を始めてください。
掃除の前に
(1)ガス漏れが無いか確認しましょう。
(2)停電していない場合、浸水による漏電が無いか確認ができるまでブレーカーを切
っておきましょう。
(3)浸水してから時間が経っている場合、時期によりカビが発生している可能性があ
りますので、ドアや窓などを開放し、十分に換気を行った後に家に入りましょう。
(4)お子さんやペットは家に入らないようにしましょう。
♦︎ 清掃の際の注意
(1)清掃前・準備編
① 室内を乾燥させるため、できる限りドアや窓等を開放しましょう。
② ケガを防止するため、長袖シャツ・ズボン、厚手のゴム手袋、ゴム長靴を着用
しましょう。
③ 粉塵やカビを吸い込まないよう、マスクを着用しましょう。
④ 目を保護するため、ゴーグルを着用しましょう。(無ければメガネでも効果が期
待できます。
⑤ 濡れた畳や洗うことができないもの(革製・布製ソファーなど)や不要なもの
を室外に出しましょう。
掃除方法①窓を全開にする
厚生労働省では浸水時の家屋において、最も重要となるのは清掃と乾燥であると注意喚起しています。屋内では早い段階でカビが発生し、感染症のリスクが高まるため、可能であればすぐに窓を全開にし、風通しをよくしてください。
掃除方法②汚水のかき出し
家屋が乾燥できる状態を確保したら、大きな家財は持ち出して、掃除しやすい状況にしてから汚水をかき出します。
・綺麗な水で洗い流しながら、玄関外に向かって流す方法
・ちりとりと水切りなどで、汚水を集める方法
・大判のタオルで吸い取る
いづれの方法でも良いでしょう。注意点として、素手での清掃は爪の間から雑菌が入り、破傷風などの感染症の原因を作るため避けたいところ。雑巾などで床の水を吸い取る・拭く場合は、ゴム手袋での作業をおすすめします。
また水拭きの際にはモップを利用すれば、足腰への負担を軽減することができます。
掃除方法②消毒
水拭きを終えた後は、消毒の作業に入ります。作業においては、十分な換気を確保したうえで作業を行ってください。推奨されているのは乾燥後と言われていますが、生活導線上の消毒も必要になるでしょう。
(1)効果を十分に発揮するために、消毒は清掃を行った後(清掃⇒乾燥)に実施しましょう。
(2)取扱いの注意事項を守って使用しましょう。
(3)食品を取り扱う場所やお子さんが遊ぶ場所はしっかり消毒しましょう。
(4)長袖シャツ・ズボン、ゴム手袋、ゴム長靴、マスク、ゴーグルを着用しましょう。
(5)室内で使用する場合は、ドアや窓などを開放し、十分な換気を確保した状態で行
いましょう。
(6)消毒薬を移し替えたり希釈する場合は、肌に付かないように注意し、もし付いて
しまった場合は、すぐに水で洗い流しましょう。
厚生労働省では浸水時の家屋の消毒液に次の3種類を推奨しています。各自治体や市町村から配布されるところもあります。各自治体にお問い合わせください。
その他注意事項
・次亜塩素酸ナトリウムは、「混ぜるな危険」の薬品。酸性のものと混ぜると有害な塩素ガスが発生しますので、絶対に混ぜないでください。
・次亜塩素酸ナトリウムは、色物を脱色させ金属を腐食させる恐れがありますので注意し
てください。
・希釈液を作る際にも、肌や目などに液が付着しないよう、ゴム(ビニール)手袋やゴー
グルを着用して作業を行ってください。
・万一、皮膚に付着した場合には、直ちに大量の流水で洗い流し、目に入った場合にも同
様に洗い流した後に、製品を持って医療機関(眼科)を受診してください。
消毒・拭き掃除の注意点まとめ
床上浸水の被害に遭われてしまった家屋の消毒や拭き掃除の注意点をまとめると、
掃除は消毒と乾燥が肝心、消毒はできるだけ乾燥後に、どちらも換気を十分に行い、肌や目・口を防御した状態で行うことが推奨されています。
消毒液の扱いには十分に注意をした上で作業しましょう。(文・溝口)
以下、参考サイト