「中国大使館の地震勧告・日本の渡航禁止」にgrok混乱で誤情報が拡散される「相互憎悪の発言はやめて」不用意な投稿に苦言も

X(旧Twitter)で投稿された「中国大使館が日本への渡航・留学を中止するよう勧告した」というツイート**が注目を集めています。しかし、実際にはそのような勧告は出されておらず、誤情報であることがわかっています

さらにこの情報が広がった背景には、AIによる“注釈”の誤りが関係していたようです

「中国大使館の地震勧告・日本の渡航禁止」誤情報が拡散される

話題になったのは以下のような投稿です。

駐日中国大使館よりお知らせです!
「中国国民は日本への渡航や留学を中止するよう勧告します。すでに日本にいる中国国民は直ちに帰国してください!」
中国のネットユーザーたちは「今年最高の出来事だ!」と反応した。

一見すると、中国政府がかなり強い措置を取ったように見えるこの文章。しかし実際のところ、中国大使館が発表したのは、地震に備えて日本に滞在する中国人に防災準備を呼びかける内容でした。

中国大使館の公式発表は「防災の呼びかけ」

駐日中国大使館は4月14日に公式声明を発表していますが、その内容は以下のようなものでした:

  • 日本は地震が多発する国であり、今後30年以内に南海トラフ地震が発生する可能性が80%に上がったと日本政府が公表している
  • 地震に備えて、防災用品を準備したり、避難所の場所を確認するなどの備えをするよう呼びかけ
  • 日本への旅行や不動産購入については「慎重に計画することをおすすめする」と表現

つまり、「帰国せよ」「渡航を中止せよ」といった強い表現は公式文書には存在していません

なぜ誤情報が広まったのか? 背景に「Grok」の誤注釈

この投稿がここまで広がった背景には、Xが提供するAIアシスタント「Grok(グロック)」の影響もあったと見られています。

Grokは、ユーザーの投稿に対して補足説明やファクトチェック的な注釈を表示する機能を持ちますが、先の投稿に対して「この情報は正しい?」と質問したユーザーに対し、今回このような注釈を表示しました。

この説明文には不自然な日本語表現や、どこから来たのかわからない数字の記述が含まれており、おそらく複数の外部ソースを混ぜて生成されたものであると見られます。

「相互憎悪の発言はやめて」不用意な投稿に苦言も

コメント欄には賛否両論、「ヘイト投稿」との指摘も

元ツイートのコメント欄には、

  • 「これはありがたい話」
  • 「二度と戻ってこないで」

といった過激な言葉が並ぶ一方で

「中国のネットユーザーが“最高の出来事”と言ったソースはどこにあるのでしょうか?」
「(日本を戦争やヘイト意識に導くような)相互憎悪の発言はやめてください」

といった冷静な声や苦言も寄せられています。

情報は“本当に正しいか”を確認してから拡散を

今回の一件は、誤った情報がAIの補足により信ぴょう性を帯びて拡散されてしまうという現代ならではのリスクを浮き彫りにしました。

事実を見極めるためには、元の公式文書や信頼できるソースにあたることがますます重要になってきています。

SNSでは手軽に情報が共有できる反面、誤解や偏見があっという間に広がってしまう時代。だからこそ、「ちょっと怪しいな」と思ったら立ち止まって調べる姿勢が必要かもしれませんね。