Gabがトランプ大統領のTwitterを完全復元・過去投稿の発言が全て閲覧可能に

アメリカに本社を置くSNS「Gab」はこのほど、永久凍結されたトランプ大統領のTwitterアカウントの全てのデータを引き継いだことをニュースサイト「Forbs」などが明らかにしました。

これによると決行したのはGabCEOのアンドリュー・トルバ氏。

これによりトランプ大統領のこれまでの発言全てが閲覧可能となり、アクセス集中による一時的なサーバーダウンを招く事態ともなっています。

Gabがトランプ大統領のTwitterを完全復元

GabCEOのアンドリュー氏は自ら保守派を示し、公然に「すべてのQAnonアカウントを歓迎する」と発表した過去（2020年10月）もあります。

今回、トランプ大統領のTwitterの発言を全てバックアップ移行した背景には「TwitterやFacebookが行ったアカウントの永久凍結やサーバー停止はいきすぎている」という幻滅の気持ちがあったためと話す氏。

しかしこのバックアップ。このバックアップの作業が行われたのはTwitterでアカウントが攻撃され、アカウントのトラフィックが700％増にも跳ね上がっていた最中だといい、まさに驚異的な努力とスピードで作業が完遂されたと「Forbs」などは報じています。

トランプ大統領のTwitterは凍結前に全ての投稿がバックアップされ、一度Twitter上で削除した後、Gabに完全復元することに成功したようです。

一方でGabの弱点はサーバーの許容量。

現在はTwitterやFacebook、Parlerでアカウント凍結に遭った保守派らの移動もあり、またトランプ大統領の一件でアクセスが急増していることで一時的にサーバーがダウンしています。

Gabは”トラフィックの大量流入を処理するためにサーバーをアップグレードしており、まもなく安定するはずだ”と話しています。

6日の暴動の嫌疑も・今後のGabの立場はどうなる？

保守派を公言しているGabCEOのアンドリュー氏は今月6日の国会議事堂で起こった暴動への関与や個人への意図的な支援を疑われ、名誉毀損防止連盟（ADL）による調査を受けました。

これまでのところ、アンドリュー氏は「暴力的なコンテンツに対する監視のために1日18〜20時間働いている」「（違法行為や暴力の脅威を生んだというならば、それは）GabではなくFacebookで組織された」と主張。

今後も暴力行為や法律違反への監視に手を抜いていないことをアピールし、GabやParlerを責める発言を行ったFacebookの言葉を一蹴しました。

GAFAと同じく「暴力の脅威は排除」という同じ方向性は持ちながらも、「Gabは言論の自由を守る」と主張するGab。

今後の動きでも、対立関係が続きそうです。

GabはGoogleやAWSの影響を受けない

対立関係にある以上SNS「Parler」と同様にアプリの凍結やサーバーへの攻撃、強制停止も考えられますが、実は二の舞にならない絶対的な違いがあります。

それが、独自のWebブラウザ、独自のサイトを立ち上げ、「誰にも依存しないサイト」を構築したこと。

このため、AWSやGoogleでもサイトの存在を消し去ることはできないそう。

ユーザー数が膨れ上がることが予想されるGab。暴動の計画を抑えつつ、他の攻撃から「言論の自由」を守るることはできるのか、これまで以上の注目が集まりそうです。

名誉毀損防止連盟（ADL）は、連邦政府に対し、GabとCEOのAndrew Torbaを調査して、1月6日の攻撃を実行した個人をプラットフォームが「意図的に支援」したかどうかを判断するよう求めました。
Torbaがユーザーに伝えた投稿を引用しています。「共産主義者の暴力」を見越して「ランドスケープモードのビデオ映像」を録画するために「DCに向かう」と書いた（彼は真剣に主張している）「外部の人々が上院を襲撃した場合、それは本当に残念だ」と書いた。
Torbaは攻撃の責任を否定し、彼のプラットフォームが数週間前に暴力的なコンテンツを軽減する「驚異的な仕事」をしたと主張し、12月初旬に蓄積し始めた公務員を脅かす投稿の顕著な増加にフラグを立てて法執行機関に報告しました（TorbaはGabが協力した法執行機関、または「進行中の調査」を引用して、ユーザーや投稿を報告した回数を伝えます。