ハシモトホームの「症状」課長の実名を求める声「稀に見るブラック企業」ネット憤りの声

青森県の住宅メーカー大手「ハシモトホーム」青森支店に勤務していた40代の男性社員が上司のパワーハラスメントを苦に自殺した問題で、男性の遺族が発見したとされるパワハラの「物的証拠」が酷すぎるとして問題になっています。

公表されたもののうち一際問題視されているのは「症状」と呼ばれる紙。

遺族までが今でも苦しめられているその紙にネットでは「酷すぎる」「殺人に等しい」など、作成者として関わったとされる課長に対する非難の声が相次ぎ、実名公表を求める声も上がっています。

ハシモトホームの「症状」課長の実名を求める声

亡くなった男性社員はハシモトホームの営業職として7年勤続。2018年1月ごろ上司から「おまえバカか」「なんぼ頭わりのや」などのメールが送られた他、同月行われた会社の新年会で「症状」と書かれた誹謗中傷の紙を上司が自作し、男性に渡していました。

表彰状を模した形で作られたその「症状」には

「貴方は今まで大した成績も残さず、あーあって感じ」「現在でも変わらず事務的営業を貫き」「機械的営業を続け」「頑張っていない様に見えてやはり頑張っていない様ですが」「機械的営業スタイルを今年も貫き 永野みたいな一発屋にならないでください」

といった誹謗中傷文句を連ね、特に悪意のある言葉を大文字でプリントアウトしたもので、末尾にはハシモトホームの「非公表」会長「非公表」と文字が記載されています。

河北新報:新年会で「症状」手渡す 男性社員の自殺「パワハラ原因」遺族が住宅建築会社提訴 青森地裁

男性はこの「症状」を受け取った翌月、自殺。

会社側からの謝罪の意はなく、パワハラの張本人とされる課長の実名についても明かされていません。

SNSでは

これは酷い。ウケ狙いで文面考えてる課長も終わってる。 」

「大人のやることじゃない。」

「こんなパワハラ日常的にされたら心が病むよ ハシモトホーム課長とやらは名前出してきちんと裁かれるべきでは?

これはパワハラの名を騙った「殺人」ですね。この課長の実名報道とハシモトホームという会社は糾弾されるべきです。

など憤る声が上がっています。

「稀に見るブラック企業」ネット憤りの声

自殺した男性について、その後の調べでパワハラは少なくとも半年以上続いたこと、過労死ラインに近い就労時間だったことなどが明らかになったことで、男性遺族は青森労働基準監督署に労災を申請。20年12月、上司のパワハラで重度のうつ病を発症し、自殺の原因となったとして労災認定されています。

今後は会社と橋本吉徳社長に約8000万円の損害賠償を求める訴えを青森地裁に起こしているものの、現状交渉は決裂。

男性はうつ状態になっても病院に行くことができず、死亡後に精神疾患発病と認定、青森労基署に労災を申請し、12月に認定を受けましたが、いまだに会社からの謝罪はないといいます。河北新報

さらに、非難のコメントをブロックするためか、公式Twitterとみられるアカウントにも「鍵」がかかり、閲覧制限がかかる様に。

こうした遺族に向き合わない会社の態度にも「稀に見るブラック企業」「ハシモトホームブラックとかそういうレベルの酷さではないな…」と憤る声が上がっています。

地元ではCM広告で知られるほど大手ハウスメーカーとして認知されているハシモトホームですが、真摯な対応とは程遠い現状が浮き彫りとなりました。

訴えによると、男性は2011年に入社し、注文住宅の営業を担当。18年1月ごろ、上司の男性課長から携帯電話で「おまえバカか」といった内容のショートメールが複数回送られた。

 同月開かれた会社の新年会の余興として、営業成績をたたえた賞状形式の「症状」が交付され、誹謗(ひぼう)中傷を受けた。余興は課長が企画し、文面も考案したという。

 男性は翌2月、青森市の自宅に駐車していた自家用車内で自殺した。青森労働基準監督署は20年12月、上司のパワハラで重度のうつ病を発症し、自殺の原因となったとして労災認定した。河北新報