「電動キックボード」欧州では失敗ビジネス?違反取締が緩すぎる動画で疑問の声

2023年以降、東京や大阪といった大都市部で見かけることが増えた電動キックボードのシェアリングサービス。手軽に利用できる移動手段として注目を集める一方で、その安全性や利用者のマナーを巡る問題は減ることがありません。

欧州では一部都市でサービスが禁止されるなど、すでに課題が山積していたにもかかわらず、日本でも全く同じ問題を抱えることになり、SNSでは怒りや疑問の声が上がっています。

「電動キックボード」欧州では失敗ビジネス?日本での導入に疑問も

電動キックボードは、欧州の主要都市で2019年に先行して導入されました。当初は「ラストワンマイル」を埋める新たな移動手段として期待されましたが、すぐに、モラルの低い利用者の迷惑行為が目立ち始めます。

それは歩道での無謀な走行や二人乗り、飲酒運転、そして放置問題など。不幸にも、年齢を偽って走行した子供が悲惨な事故死を起こす事例もありました。パリ市では2023年9月、シェアリング電動キックボードの全面禁止という、極めて異例の住民投票の結果が示されました。市民の不満が爆発した形です。

死亡事故例

ベルギーで 11歳少年の死亡事故 (2025年6月)

  • 2025年6月24日付の「ゴム報知新聞NEXT」の記事によると、ベルギーの首都ブリュッセルで11歳の少年が公園内で電動キックボードに乗っていたところ、警察に追跡され、最終的に警察車両に轢かれて命を落としたという痛ましい事件が報じられています。

イギリスで 16歳と9歳の死亡事故(2024年2月)

  • Road Safety GBの2025年2月25日付の記事では、英国において電動キックボードによる子供の死亡率が自転車の2倍に上る可能性が指摘されています。特に、2024年2月1日にバジルドンで、兄弟(16歳と9歳)が電動キックボードに乗っていた際に車と衝突し、命を落とした事例が挙げられています。彼らは違法に公道を走行していたとのことです。

こうした海外の先行事例と、それに伴う課題がすでに明らかになっていたにもかかわらず、日本は「事業者からの強い要望」を受け2023年7月に改正道路交通法を施行し、「特定小型原動機付自転車」という新たな車両区分を設けました。

これにより、16歳以上(自己申告)でスマホがあれば、免許やヘルメットがなくても公道を走ることができるようになりました。

この法改正を受け、電動キックボードのシェアリングが拡大した同時期は「イギリスや欧州は死亡事故発生で規制してるのに何で日本は逆方向」「明らかに事故が増えそうものをなぜ導入するの」といった声がすでに聞かれていました。

違反取締が緩すぎる動画で非難の声

これにより、電動キックボードは一定の条件を満たせば免許不要で利用できるようになり、シェアリングサービスは一気に拡大。まるで欧州で起きた混乱をなぞるかのように、日本の街中でも事故や違反が多発する事態となっています。

未だ電動キックボードは都市部での限定的な導入に留まってはいますが、利用者の多いエリアでは危険運転が見過ごせない状態になっており、SNSでは危険運転の様子がわかる動画や画像が散見されます。

「電動キックボード 運転」調べる限りでも、傘差し運転や二人乗り、逆走、危険な荷物載せ運転、信号無視・・と、危険運転の様子が数々上がってきます。

警察庁が2024年6月17日の参院内閣委員会で発表したデータによると、電動キックボード関連の交通違反の検挙数はなんと4万1246件だといい、2024年4月1日現在で特定小型原動機付自転車(いわゆる電動キックボード)の登録台数2万2321件の2倍の数だったといいます。

利用者の拡大やこうした違反動画の投稿が増加したことを考えれば、野放しにされている違反行為は数え切れないものと予想されます。

ネット上では「利用者はなんでも許されると思ってるだろ」「危険すぎるから早く取り締まってくれ」「こんな危険運転でも車がぶつかったら悪者にされるのやばいでしょ」と、取り締まりの緩さへの抗議の声、そして危険運転の利用者に対する怒りの声が多数上がっています。

SNSでの声