SNSで「なんだこれは……!」と驚きの声が集まっているのは、奈良県三宅町のグローブ職人とデザイナーがタッグを組んで作った、ちょっと不思議なコインケース。
ぱっと見は手のひらサイズのレザー小物。でも、開いた状態から手を離すと、花がふわっと閉じるように自動で形が整い、自然と“フタ”ができるんです。その姿がまるで、折り紙の花みたい……!
【美しい】おしゃれなコインケースがSNSで話題に
きっかけは、デザイナーの金谷 勉(かなや・つとむ)さんの投稿。
CEMENT PRODUCE DESIGN代表で、これまでに1000社以上の工芸・工場現場と向き合ってきた人物です。
技ありの「花紋折り」デザイン、まさに職人の底力
100年前から野球のグローブをつくる奈良県三宅町の職人と作ったボタンもファスナーもない、完全無縫製のコインケース。 pic.twitter.com/5t3i3jUr9C
— 金谷 勉 @ CEMENT PRODUCE DESIGN (@cementblue) April 19, 2025
このコインケースは、ボタンもファスナーも使わない完全無縫製。しかもこの特徴的な形は、「花紋折り(かもんおり)」という折り方を使ってデザインされており、奈良県三宅町の野球グローブ製造メーカー「LINKS」さんのグローブづくりの職人技がしっかり活かされているのだそう。
花紋折りは内山光弘氏が考案した折り紙。柳宗理氏は初めて見た花紋折りに称賛されたとか(柳宗理 監修・編集)日本の伝統的形態の姿とモダンで新鮮な美を見出したそうです。「花紋折り」を革と折りだけでコインを包む形状に。 (HOW TO WRAP_山本考志さん監修)https://t.co/oG5EaOu9s8 pic.twitter.com/yNbCRRk1iu
— 金谷 勉 @ CEMENT PRODUCE DESIGN (@cementblue) April 19, 2025
まるで花のような美しさを感じる、折り紙作家・内山光弘氏が考案したとされる伝承折り紙。 その花紋折りは、“包み”を考えるブランド、HOW TO WRAP_によって現代にも継承されています。 そんな日本の花紋折りを人々の暮らしの中に機能的に取り入れられないかと考え、奈良県三宅町の野球グローブ製造メーカー、LINKSの極限まで薄く革を漉き、精密に折り込む技術によって、HOW TO WRAP_監修のもと、革で花紋折りを再現することに成功しました。
「プレゼントに最適」「母にあげたい」魔法のような不思議なデザイン
まるで魔法のようにパタンと閉じるこの構造とデザインに、SNSではこんな声が寄せられています。
- 「母の日ギフトに良いなと思っています。」
- 「外出時に持ち歩きたくなる小銭入れです。私の祖母も持っています」
- 「もう何年も愛用してます、ボロボロになるまで使いたい」
- 「正に天衣無縫(:わざとらしさがなく自然に作られていて,しかも美しいこと。)ですね。素晴らしい。」
- 「“機能説明ゼロ”でここまで惹きつけるとは…! 」
- 「まるで魔法……これ本当にファスナーもボタンもないの!?」
- 「どんな仕掛けなのやら見当もつきません それにとても美しいですね。手に取ってみたいです」
デザインだけでなく、機能も十分。
SNSコメントにはこんな質問も。
「さかさまにしても小銭はこぼれませんか?」という問いには
「構造上激しく振れば落ちるかと思いますが…適量でポケットの中で使っていれば1度も小銭が飛び出したり、こぼれたことはないですね。」
「全力でふらなければ大丈夫」
とのこと。
職人の想いが詰まった“小さくても熱い”ものづくり
金谷さんによると、今後は「小さくても熱い現場が生き残っていく時代」に向けて、“考えて動く=考動”がキーワードになるとのこと。大量生産ではない、心がこもった一点ものが、今まさに注目されているのかもしれません。
なお、このコインケースは金谷さんが運営する自社店舗「コトモノミチ」でも取り扱いがあるとのこと。気になった方はチェックしてみても良いかもしれませんね!