2025年4月26日、競馬ファンにとって悲しいニュースが飛び込んできました。
史上7頭目の3冠牝馬、リバティアイランドが、海外遠征先での調教中に大けがを負い、予後不良と診断。安楽死の措置が取られたことが発表されました。
SNSでは「信じられない」「涙が止まらない」といった声があふれ、リバティアイランドの早すぎる別れを惜しむ人が後を絶ちません。
【動画あり】リバティアイランド、香港G1で予後不良
関係者によると、負傷したのは前脚。レース後の獣医の記録によれば、川田騎手が「レース直前のアクシデントが直接的な原因だと話している」ことが報告されています。
また、レース中に接触がありましたが、相手選手に配慮してのコメントか、「接触と負傷は無関係」として話しています。
レース前からレース序盤、5着からじわじわと追い上げてきたリバティアイランドでしたが、レースの最終直線で6着侵入のルビーロットに後ろから押し出され、ゴリアットも巻き込む形で接触しており、当初はこれが原因ともみられていました。
HKJCの裁決委員レポート(獣医師レポート)が出ました
— Hartley@冷温停止中 (@Hartley_026) April 27, 2025
リバティアイランドに接触したEnsuedのB.アヴドゥラ騎手には騎乗停止処分が下るも、川田騎手はレース後に「直線で受けた不利とリバティの故障の無関係」と話している
と報告がありました。つまり、他の騎手や馬は故障の原因には無関係だそうです https://t.co/OnOPh2jzX3 pic.twitter.com/AGgvXh1gEJ
上記はHKJCの獣医レポートで、リバティアイランドの予後不良についての記述がなされています。日本語翻訳は以下の通り。
PU(競走中止) 11番 LIBERTY ISLAND(K917)
B・アヴドゥラ騎手(ENSUED騎乗)は、300メートル手前で進路変更時にLIBERTY ISLANDに十分なスペースを与えなかった件について、不注意騎乗(ルール100(1))を認めました。
この影響で、LIBERTY ISLANDは窮屈になり、RUBYLOTに押し出され、さらにGOLIATHも巻き込まれてバランスを崩しました。
アヴドゥラ騎手は、2025年5月14日(水)から5月22日(木)まで(香港競馬開催3日間)騎乗停止となり、さらに6万香港ドルの罰金が科されました。
制裁に際しては、不注意騎乗グレード2、および過去の騎乗成績も考慮されました。レース中、LIBERTY ISLANDは残り250メートル付近で左前脚に故障を発症し、競走を中止しました。
川田将雅騎手は、「レース中は何とか走れていたが、直前にアクシデントがあった」と証言しています。
また、「300メートル手前で窮屈になったことは、250メートル付近での故障には影響していない」とも述べました。
レース後、リバティアイランドから検体が採取されました。
競走馬にとって脚の大怪我は致命的で、「生きるための治療」も困難と判断されたため、苦しみを最小限にするための選択がされたといいます。
SNSでは関係者らがリバティアイランドをねぎらうように何度も撫でており、その前には膝をついて涙する川田騎手の姿をとらえた動画が、最後の姿となりました。
なぜ海外で安楽死された馬は日本に戻れないの?
悔しいことに、リバティアイランドは海外遠征先で安楽死となったため、日本に遺体を戻すことができません。
これは、動物の死体に関する防疫規制が関係しています。
特に馬は、特定の伝染病(馬インフルエンザなど)の媒介リスクが高いとされ、死後に防疫措置がとれない場合、原則として「生体以外」の移動は禁止されています。
つまり、海外で死亡した馬は、たとえどんな名馬でも現地で埋葬または火葬されることになります。
リバティアイランドも例外ではなく、現地で手厚く弔われることになります。
「安楽死」に反対する人たちの声とその理由
リバティアイランドのニュースを受け、SNSでは「なぜすぐに安楽死にするのか」という疑問や悲しみの声も上がっています。
実際、安楽死には反対意見も存在します。
主な理由は――
- 「命を救うためにできる限りの治療をしてほしい」
- 「生きるだけでも価値があるはず」
- 「人間の都合で命を絶つのは違うのでは」
といったもの。
ただし、競走馬にとって「脚」は命そのもの。
脚の骨折や粉砕によって自力で立てなくなると、血流障害や肺炎などで、長期間にわたり苦しむリスクがあります。
さらに、馬は非常に重たい動物(リバティアイランドも約500kg)であるため、長時間横たわった状態は生理的にも耐えがたく、「助けること自体がさらに苦しめることになる」ケースも少なくありません。
結果、安楽死は「最善の救済」とされる場合が多いのです。
それでも、感情として受け止めきれない人が多いのも当然ですよね。
リバティアイランドの戦績
日本の宝ともよばれたリバティアイランドの実績は、次の通りです。
- 阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)優勝(2歳)
- 桜花賞(G1)優勝
- オークス(G1)優勝
- 秋華賞(G1)優勝(史上7頭目の牝馬三冠達成)
- ジャパンカップ(G1)3着
鮮烈な末脚と華やかな走りで、「令和の怪物」とも呼ばれたリバティアイランド。
3歳にして、すでに多くのファンに深い感動を与えてくれました。
突然の別れとなってしまいましたが、リバティアイランドが残してくれた輝きは、これからも競馬ファンの心に生き続けます。
「たくさんの夢をありがとう」
「安らかに」
そんな想いとともに、彼女の偉業を胸に刻みたいですね。