2019年10月9日、地下アイドルの女性を自宅前で待ち伏せし、わいせつ行為をしたことで無職の佐藤響容疑者(26)が逮捕・起訴された事件で、容疑者がアイドル女性の住所を特定した手口が話題になっています。
ネットではその手口に「能力の無駄遣い」「警察、彼を雇ったら?」といった声まで上がるほどに。
男性が地下アイドルの住所を特定した経緯と方法・ネットの反応をまとめました。
佐藤響容疑者の能力「瞳に映る景色で住所特定」の方法(手口)は?
今月1日の夜、東京・江戸川区のマンションに住むアイドルの女性を待ち伏せし、体を触る行為やけがをさせたとされる佐藤響容疑者。
佐藤容疑者は「SNSに投稿された女性の顔写真の瞳に映る景色を手がかりに住んでいる場所を特定した」と供述。
アイドル女性はSNSで画像や動画を投稿していたとされ、その画像を元に住所はグーグルマップのストリートビューで特定し、室内で撮影された画像からは、瞳の中の景色を分析して部屋の間取りまで割り出していたとのこと。
「Google ストリートビュー」とは、Googleが世界中の道路沿いの風景をパノラマ写真で提供するインターネットサービスと店内版の撮影サービス。まさかこのような形で使われるとは。
先月1日の夜、東京・江戸川区のマンションに帰宅したアイドル活動をする20代の女性に対し、背後からタオルで口をふさいで引き倒し、体を触るわいせつな行為をしてけがをさせたなどとして、さいたま市北区の佐藤響被告(26)が8日起訴されました。
佐藤被告は女性の熱狂的なファンで、その後の調べで「SNSに投稿された女性の顔写真の瞳に映る景色を手がかりに住んでいる場所を特定した」と供述していることが捜査関係者への取材でわかりました。グーグルマップのストリートビューという機能を使って、女性の瞳に映った駅の風景と特徴が似ている駅を見つけ出し、駅で待ち伏せをしてマンションを特定したということです。
また、女性がSNSで配信した動画を見て、カーテンの位置や窓の光のさしかたなどから、女性の部屋の位置まで把握していたということです。出典:NHKニュース
ネット驚嘆「警察は特殊部隊で雇ったほうがいい」に賛成も
今回の犯行では、女性がSNSで投稿した画像と「ストリートビュー」が悪用されたことが事件の直接的な原因とも言え、この犯行手口自体で言えば、特別な技術を要することなく対象を特定できるとのこと。
しかしこうした犯行が公になったのはおそらく初。ある意味では容疑者の集中力と賢さが生きたとも言える手口に、ネットでは「この知識と行動力が人道的に良い行いに使われていたら称賛だったのに」「その執念&やる気&根性を何故就活に活かせない?」といったコメントが。
また逮捕時に無職だったことからも「警察、彼を雇ったら?」というコメントには支持を示す「いいね」数がつく事態にすらなっています。
犯行手口へのその他コメント
- 違うことに役立てろ。
- 攻殻機動隊で見たけど、実際やるなんてすげー行動力やな
- その凄い特殊能力をいいことに使ってくれよ
- 海外ドラマに出てきそうな話だなw
- 警察も参考にする技術だと思う。
SNSの画像や動画の取り扱いに注意喚起
例を見ない犯行に話題を集めた事件となりましたが、専門家はカメラの性能・画質がよくなったことから「思わぬ形で個人情報が漏れるリスクが高まっている」と指摘します。
今回のような事件を防ぐためには
- 投稿画像の画質を落とす
- 不特定多数の人物が投稿を見ていることや悪用されるリスクを認識する
- 自宅付近や室内で撮影した画像の投稿を控える
などの対策が考えられます。過激なファンがいることも意識しておく必要がありそう。
刑事政策が専門でSNSのリスクにも詳しい首都大学東京の星周一郎教授は「スマホカメラの性能がよくなり画質も非常に精細になっているために全く想定しないかたちでプライバシー情報が流出してしまう新たなリスクが出てきた。ネットの情報からストーカー行為に発展する、いわば“デジタルストーカー”のリスクが顕在化した事件だ」と指摘しました。
その上で防犯上の注意点として「手がかりとなる情報さえあれば特殊な技能などなくても、インターネットの画像検索などの機能を組み合わせて場所を特定することもできる。SNSに画像をあげる際は、利用者はプライバシーが流出するリスクが常にあることをよく認識することが必要で、ソフトウエアの側も画質をあえて落とすオプションを設けるなど新たな対策が求められる」と話しています。出典:NHKニュース