首里城で火災の原因は放火?出火場所と現在の被害状況・不審者の目撃情報は

先月10月31日未明、沖縄県那覇市で世界遺産に登録されている首里城で火災が発生した事故で、11月1日以降、首里城跡地では出火原因を究明するため、沖縄県警と消防による実況見分が行われています。

現場では消防車40台による消化活動が11時間に渡り続けられていましたが、正殿他7棟、4200平方メートルが焼失。(出典:NHK)

10月27日から11月3日まで「首里城祭」が予定されていた首里城。地域の声の中には「なぜ火災が起きたのか、放火だとしたら悲しい」という声も。

現在の火災の被害状況と出火原因について、現時点で確認されている情報をまとめました。

火災の原因は放火?それとも「首里城祭」の影響?不審者の目撃情報は


火災の原因については電気系統の警察と消防は電気系統のトラブルが火災につながった可能性を指摘しています。

付近には「延長コード」・ショートした可能性のある痕跡も

那覇市消防局は7日の記者会見で、「首里城の火災の出火場所とみられる正殿1階北東側で、延長コードが溶けて30個以上に細切れになった状態で見つかった」と説明。

延長コードは正殿北東側の大型電気系統設備の分電盤から電源を取っており、同じ部屋に置かれた発光ダイオード(LED)照明器具二つにつながっていたといいます。

延長コードのほか分電盤に電気を引き込む配線でも同様の症状が見られ、出火原因は電気系統が濃厚なものの、損傷が激しく、特定は非常に困難とのこと。

関係者によりますと、正殿内に設置された7台の防犯カメラは、一部のカメラが出火の際のものとみられる光を記録していましたが、直後に電源が一斉に落ち、映像が途切れたということです。

那覇市消防局は7日、記者会見し、首里城の火災の出火場所とみられる正殿1階北東側で、延長コードが溶けて30個以上に細切れになった状態で見つかったと明らかにした。ショートした可能性のある痕跡が見つかり、今後鑑定して調べる。出火原因は電気系統が濃厚なものの、損傷が激しく、特定は非常に困難だとの認識を示した。調査は長期化も予想される。

延長コードは、正殿北東側の大型電気系統設備の分電盤から電源を取っており、同じ部屋に置かれた発光ダイオード(LED)照明器具二つにつながっていた。延長コードと、分電盤に電気を引き込む配線にも同様の痕跡が見つかり、詳しく鑑定する。出典:共同通信

また、報道では以下のようにも報じられています。

イベント関係者の一部が正殿近くで「タバコを吸っていた」目撃情報

地元音楽家の音楽家の喜納昌吉氏によると、イベント準備が行われていた出荷前夜、イベント関係者が正殿付近でタバコを吸っていた様子が目撃されているといいます。

火災当日に敷地内で行われていたイベント「首里城祭」の準備で、火災の原因になるようなことがあったのではないかと疑う声もあるという。

「イベント関係者の一部が正殿近くでタバコを吸っていた様子が目撃されているので、火の不始末だった可能性もあり得ます。そもそも、文化財の周りで喫煙をするのは、不注意で済まされるレベルではないでしょう」(前出・喜納氏)出典:FRIDAY

現場では焚き火があったとの噂も

琉球新報の号外によると、住民からは「正殿には簡単には入れないはずなのになぜ出火したのか」という疑問の声が上がっているといいます。

31日の情報番組「朝チャン」では「正殿付近で焚き火の目撃情報がある」というコメントがあり話題となりましたが、証拠を伴った有力な目撃情報はなく、立証はされていません。

「(首里城祭の)イベント設備が火災原因とは考えにくい」消防局会見

首里城では、今月27日から来月3日にかけて「首里城祭」が開かれていて、催しの準備などが31日未明まで行われており、当初イベントの準備が関係しているという見方もありました。

しかし那覇市消防局では、1日の会見で「現段階の聞き取りなどで、イベント設営と正殿の出火原因の関係性はないと思う」と見解を示しました。

令和元年度 首里城祭

消防によりますと、首里城では琉球王国時代の儀式を再現する「首里城祭」の準備のため、31日の午前1時すぎまでイベント会社が「正殿」の前の「御庭(うなー)」と呼ばれるスペースで、照明などの機材を設営していました。

そして午前1時半までにはスタッフは作業を終えて現場から撤収したということです。

それからおよそ1時間後の午前2時34分、異常を検知するセンサーが「正殿」で作動したため、警備員が駆けつけたところ、「正殿」の中で煙が充満していたということです。(出典:NHKニュース)

(撤収時)音響や照明、映像の電源は作業終了時にブレーカーを落とし、二重でチェックしたという。会社関係者は「この日も確認を終え、何も異常がなかった」と説明する。出火元とみられている正殿からも配線などを引いていないとし、「イベント設備が火災原因とは考えにくい」と話した。

那覇市消防局も会見で、機材の電源は南殿付近から引いているとし、「現段階の聞き取りなどで、イベント設営と正殿の出火原因の関係性はないと思う」との見方を示した。出典:沖縄タイムス

今年4月にフランスのパリで起きたノートルダム大聖堂の火災では、検証の結果「出火原因は改修中の建物内でのタバコの不始末または電気回路のショート」という人的過失(失火)が原因と言われています。

また、今回の首里城祭では2日、3日に「万国津梁の灯火」という催しが予定されていました。

首里城は琉球王国時代のおよそ500年前に建てられ、昭和8年に国宝に指定されましたが、太平洋戦争中の沖縄戦で焼失しました。

首里城で火災・現在の状況と出火場所は

今回火災が発見されたのは午前2時41分、正殿の火災報知器が鳴り、首里城の警備員から那覇市消防に通報があったとのこと。

那覇市消防局によると、火は午前11時ごろ消し止められ、31日13時半ごろ鎮火。

NHKなどのまとめによると「正殿」「北殿」「南殿」が全焼。さらに延焼により7棟が消失。

火元については城の「正殿」が激しく燃えていることから火元は正殿の付近と見られていますが、

その後の調べで警察は、正殿内の異常を感知してまもなく煙が通路に来ていたことから通路に近い正殿の北側のあたりが火元とみて現在捜査しています。

10月31日、那覇市にある「世界遺産」の首里城跡に復元された首里城で起きた大規模な火災で、火元とされる建物の「正殿」は出火当時、入り口のシャッターが施錠されていたことが警察への取材でわかりました。警察は、正殿の内部から火が出たとみて、1日から消防と合同で正殿を中心に現場を詳しく調べるなどして、出火原因の特定を急ぐことにしています。出典:NHKニュース

警察によりますと、出火当時警備員は、セキュリティー装置が異常を感知したため、正殿の向かいの門にある警備室から現場に向かい、正殿の北側に続く通路のシャッターを開けて中に入ったということです。

その後について警備員が「通路内にある正殿に入る階段を数段上がったところで、息ができなくなるほど煙が充満しているのを確認した」と説明していることが警察への取材でわかりました。

警察は、正殿内の異常を感知してまもなく煙が通路に来ていたことから通路に近い正殿の北側のあたりが火元とみて火が出た具体的な場所の特定を進めるとともに、出火原因などを調べています。出典:NHKニュース

出典:Twitter出典:oki-park.jp鎮火後の首里城公園の様子(14:00現在)出典:朝日新聞

当時の様子はこちら。

火災は風の影響も受け燃焼が激しく、午前4時すぎの時点では南から南東の方向に火の粉が舞う様子も確認されていました。

住宅地に飛び火する恐れもあるとして、那覇市は避難所を設置。現在近隣住民が避難している状況とのことです。

復元プロジェクト完成の矢先に・・涙する人も

30数年をかけて「復元プロジェクト」が行われ、数年前に「首里城公園」として完成したばかり。

全焼した正殿は平成4年には復元されていました。

様子を見に来た会社員の女性(50)は「午前2時半ごろサイレンの数の多さに気付いた。首里城は絶景で、あって当たり前のものだったので、あまりに衝撃が大きすぎて、涙が止まらない」とうつむいた。

サイレンの音で起きたという金城珍源さん(68)は「『避難してください』と呼び掛けがあったので出てきた。沖縄の人にとって大事なものなので、こういうことになって悲しい」と嘆いた。

首里城の改修工事を請け負っていたという漆職人の諸見由則さん(59)は「十数年かけて外壁などに漆を塗り終わったと思ったら、全部焼けてしまった。せっかくきれいにしたのに、また一からやり直しだ」と肩を落とした。出典:Yahoo!ニュース

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