「中国の本当の死者数は2万5千人以上」台湾紙が示唆・テンセントが武漢肺炎のデータを「2つ管理している」噂も

今月5日、台湾英文新聞が新型コロナウイルスの感染症に関して、中国共産党(CCP)が中国国内の感染者・死者数を表すデータを”2種類保持”している可能性を報じ、海外で話題になっています。

出典:台湾英文新聞

疑惑の発端となったのは、中国の大手情報サービス会社「テンセント」が管理・運営している「新型肺炎のエピデミック情報」のサイト。

中国国内の感染者数を公に表す掲示板としての役割を果たすこのサイトで、過去3度ほど「公の数値」を大幅に上回る数値が発表されていたことが問題となっています。

「中国の本当の死者数は2万5千人以上」の可能性

台湾英文新聞によると、2月1日の深夜に確認された「新型肺炎のエピデミック情報」では、それまでの公表数値よりはるかに多い数値が発表されました。

2月1日のデータと2日のデータ比較。1日の間にデータ数値が10分の1に修正され、「国内の不安をかき立てた」といわれます

当時発表されていた数値を見ると、

直前まで発表されていた数値の10倍にあたる、国内感染者数15万4023人、死亡者数2万4589人という表記。

しかし、翌2日の16:00頃には国内感染者数1万4446人、死亡者数が306人に修正されていました。

テンセントのこの修正は世間から「中国政府が公式に発表しているデータへの訂正」とみられていますが、ネット場で上がっている指摘によれば「これまでに同様の”高い数値”が3回確認されていた」とのこと。

Moments later, Tencent updated the numbers to reflect the government’s “official” numbers that day. Netizens noticed that Tencent has on at least three occasions posted extremely high numbers, only to quickly lower them to government-approved statistics. 出典:台湾英文新聞

香港大学の統計データと「漏洩データ」の数値が偶然一致

また、この「誤表記」のデータは、31日に香港大学が発表したデータに非常に近く「25日時点で7万5815人が感染」したとして、「6・4日ごとに倍増」するという仮説にほぼ一致します。

香港大学医学部のガブリエル・リアン学部長率いる研究チームの推計によれば「1月25日までに武漢では7万5815人が感染した」という。出典:NEWSWEEK

研究チームは、症例報告などから昨年12月以降の流行の広がりを予測。感染者1人が平均2~3人に感染させると仮定し、国内外の鉄道や自動車、航空機といった交通手段のデータをもとに感染がどう広がっているかを数学的なモデルを使って計算した。

その結果、武漢市の感染者数は昨年12月1日~今年1月25日、6・4日ごとに倍増し、最大で7万5815人になったという。出典:朝日新聞

計算の仕方は以下の通り。

2月1日にテンセントが「誤発表」した感染者数は「154023人」、香港大学の予想では25日時点で「75815人」だったため、「6・4日ごとに倍増」するという仮説通りの計算で、1月25日〜2月1日までの7日間の間で倍増させると75815人×2=151630人となる。

台湾英文新聞は、TENCENTの「誤表示」数値が正しければ、死亡率は16%になると報じています。

2月7日現在、テンセントで公表されている国内感染者数は、31223人、死亡者数が637人。

香港大学の計算で行けば、7日時点での国内の推定感染者数は30万8046人、死者数は4万9178人となります。

5日間、死亡率2.1%の不自然な記録

さらに、ネットで物議を醸した問題はもう一つありました。

1月30日から2月4日までの5日間の死亡率が2.1%となること。この発見もネットで話題となり、MSNなど複数のメディアも取り上げました。

出典:台湾英文新聞

三立新聞網は、わずか5日間の間でここまで数値が揃ったデータが計測されたことに対し、[大数の法則]から見ても不自然だと言える「なぜ武漢肺炎が数学を理解しているのか(ありえない)」といったネットの指摘を報じました。

大数の法則とは、普通のコインを1000回投げると、表の数は500回近く(=約50%)になり、コインを投げる回数が増えるほど、表の数は50%に近くなるというもの。

新型肺炎だと診断される人が多いほど計算された死亡率は特定の値に近づくが、それば膨大な母数(患者数)があってこそ。

結果的に新型肺炎の死亡率は2.1%かもしれないが、通常ここまで結果が揃うのはおかしい、というのがネットの指摘のようです。

こうしたことからネットではさらに「テンセントは”真実”と”公表用”の2つデータを持っているのではないか」という声も上がったと言います。

しかし、テンセントはこの指摘に対し「この手の不謹慎な誤情報の拡散には失望しています。虚偽の情報の製造と拡散を直ちに停止するよう促します。」と強い口調で非難しています。

「・・Tencentは、特にこのデリケートな時期に、不正確な情報や偽のニュースを広めることを容認していません。

この問題に関するすべての法的権利と救済策を留保し、サービスを悪用している人々に対して、虚偽の情報の製造と拡散を直ちに停止するよう促します。」出典:台湾英文新聞より、TENCENTのコメント一部

郭文贵「中国の真実は死者5万人、感染者150万人」

さらに、中国の実業家、投資家でGUO.MEDIA(郭媒体)を運営する郭文贵は7日、アメリカのインターネット番組「AmericasVOICE」で「CCPは公表データをコントロールしている」として「現在の中国国内における実際の死者は5万人、感染者は150万人に登る」と指摘しています。

郭文贵とは

郭 文貴は、中国の実業家、投資家で、2014年に中国を逃れ、アメリカ合衆国へ亡命。2017年1月26日、明鏡集団の独占インタビューを受けて、「身の安全、財産の安全、復讐」のために、中国共産党の最高指導部メンバーらの腐敗・汚職を暴露しはじめた人物。

昨年はファーウェイに対する内情を暴露しており、中国国内では「アメリカに身を売った犬」などと公のメディアが報じるなど敵視されることが多い。一方で民主化を望む層からは「国の腐敗を暴いてほしい」など一定の信頼を得ており、評価は様々。

彼は番組内で「武漢で本当は何が起きているのか」についての質問に対し、次のように答えています。

・今、武漢の火葬場では1日あたり1200人、火葬を行なっている。火葬場は24時間稼働し放し。現時点でそのような状況が17日間以上続いている。武漢だけで。

・内部情報によると、大都市には250万人がいるが、150万人が既に感染している。しかも、多くの人が診断を受ける前に(公になる前に)亡くなって火葬されている。人数にして5万人に登る

・現在、武漢には46000床が用意されたが、医師の視察によると患者を収容するためには53万床が必要とみられる。現時点で既にもう15万床が必要だといわれているため、トータルでは100万近くの病床が必要になる、と思われる。

・今、中国国内では隔離されている人数が5万人(公式では感染者3万人、擬似患者2.6万人)、死者はちょうど500人ほどと報告されているが、ではなぜ武漢には50万人近い患者がいるのかという矛盾が生じる。

・1月30日から2月3日までの5日間、死亡率が一律2.1%となっている。誰かがコントロールでもしているのかと思うほど不自然である。CCP(中国当局)は本当のことを言っていない。

・病院の環境は劣悪である。検疫センターには医師がいない。患者は小さな部屋に鍵をかけられ出ることができない。食料も電話も水もなく、風呂にもいけない。どう良くなろうか?症状が良くなるはずがない。

郭 文貴氏の意見については「アメリカ寄りの意見」と言った非難もあり慎重な判断が必要です。

しかし既出のいくつかの不自然・矛盾する現象に対しては、現在も疑問の声が上がり続けています。

ネットの反応