「コロナウイルスからHIVに似た成分」デリー大学が発表「偶然とは言い難い」人工的な生成を疑う声も

2020年2月1日、デリー大学(インド・ニューデリー)の研究者が、現在武漢をはじめ感染が拡大している新型コロナウイルスから、自然界には通常存在し得ない「不自然な組成」を発見し「大変ショッキング」なことだとコメントしました。

出典:Uncanny similarity of unique inserts in the 2019-nCoV spike protein to HIV-1 gp120 and Gag

また、新たに確認されたこの組成についてはヒト免疫不全(HIV)と一致すことにも言及。

この発表について、ジャワハルラルネルー大学分子医学特別センター准教授のアナンド・ランガナタン氏(Anand Ranganathan)は中国の意図的な関与も指摘しています。

「コロナウイルスからHIVが検出」デリー大学が発見、しかし「未査読」

追記:現在、アナンド・ランガナタン氏はこの研究発表について「査読されていない=研究者仲間や同分野の専門家による評価や検証がされていない」ために、公表するべきでないとして「中国の意図的な関与も指摘」したTweetは削除しました。

発表の内容は以下の通り。

デリー大学のレポート

このレポートをかいつまんで見ていくと

・現在流行しているコロナウイルスを、同じ祖先をもつSARSコロナウイルスと比較した結果、他のコロナウイルスには存在しない4種の配列が見られた。

・この配列は全てのコロナウイルスで確認された。短期間でこのような変化が見られた「突然変異」は研究者にとって「ショックなこと」

・この配列が、人への感染に置けるウイルス生存率と感染力を増大させた。また、宿主の範囲も増やしたかもしれない。

・また、この新しい配列は図らずも、すべての挿入がヒト免疫不全(HIV)と一致するところがある

とのこと。

デリー大学が確認した4種の突然変異の組成

レポートではウイルスは「速すぎる突然変異」として発表しており、人工的に作られたウイルスであるかについては触れていません。

アナンド・ランガナタン氏「偶然ではない」現在は削除

この結果について、ジャワハルラルネルー大学分子医学特別センター准教授のアナンド・ランガナタン氏は「なんてこった」と驚嘆の声を上げ「彼らは中国によってウイルスが設計された可能性を示唆している」「これは偶然ではない」などとコメント

しかし、氏は現在このツイートを削除しています。

その理由は「この研究レポートの査読が済んでいないため」としています。

アナンド・ランガナタン氏自身もタンパク質研究に置いての専門家であり、氏が取り上げたことでこの研究の真偽についても一定の信頼を置くことができますが、それでも査読=検証が済んでいなければ、真実とは言えないことになります。

出典:Twitter

アナンド・ランガナタン氏のツイートへの反応

これに対し、Twitterでは”中国が現在新型肺炎の治療薬としてHIVの治療薬を使用していること”に触れるコメントなど「中国の関与が裏付けられるのではないか」という意見も上がりましたが、この論文だけではこれ以上の推測はできない状態です。

これ以上の結論を出すには今後、この研究の認証とウイルスについてのさらなる研究が必要となります。

一方で、今回の削除に対し好意的な意見としては「根拠のない情報が中国を攻撃するものになり得る」「国際的な関係を悪くしないためにも、より慎重になるべき」といった声が多く上がりました。

ネットの反応