歯固めジュエリーの危険性と死亡事例は?販売者に課せられる罰則についても

ハンドメイド作家が集うECサイトにおいて販売されている『歯固めジュエリー』が、「生後間もない赤ちゃんの生命を脅かす危険がある」として、保育士らから購入を止めるよう注意を呼びかける声が上がっています。

出典:google

歯固めジュエリーの危険性と死亡事例は?

現在もプレゼント用として販売されている同商品の危険性について、保育士のかよさんは次のようにツイッターで呼びかけ。

歯固めジュエリーとは

歯固めジュエリーとは、木製や布製のビーズ(直径およそ2〜3cm)と言った細かなビーズをブレスレットのように繋ぎ、輪や紐状にしたもの。

国内では認定講師の教室も存在し、年々その認知度も上がっているようです。

乳歯が生えはじめの乳幼児を対象としたおもちゃでありながら、ジョイントやポイントには細かなチェーンや金具もついている様子がまるでアクセサリーの可愛らしい見た目であることから歯固め”ジュエリー”と名が付けられています。

価格は1500円〜3500円ほどであり、いずれもブレスレットのように細かなパーツを組み合わせているのが特徴的。

出典:creema

これらは海外では珍しいものではなく、「Bead Baby Teething 」(ビーズの歯固め)としてある程度の認知度はあるようです。ネット上には既製品の他、DIYで自作するためのビーズのみの販売もいくつか散見されます。

歯固めジュエリーの危険性

実際にこの「歯固めによる事故」は報告されていません。

しかし消費者庁は2017年、誤嚥事故の調査から4cm以下の大きさの玩具を子供のそばに置かないよう注意を呼びかけており、玩具が万一「破損」した際には、死亡事故の恐れがある玩具の対象となることを明らかにしています。

※消費者庁は2017年、玩具を誤嚥した経験をもつ子供の保護者の聞き取りから、「誤嚥によって最も危険なのが6mm~10mmの大きさ」だったことなどを報告。

結果、直径4cm以下(ペットボトルのキャップ以下の大きさ)のものは子供のそばに置かないよう、注意喚起を行いました。出典:NNN

玩具を「誤嚥した」経験を持つ子供の保護者302人に対して、誤嚥した玩具の大きさを聴いたところ、 「6~10mm」との回答が40%を占めた(図4)。また、玩具の形状については、「どの面からみても 同じような大きさの物(球形・立方体等)」との回答が49%を占めた(図5)。出典:消費者庁「玩具による乳幼児の気道閉塞事故(消費者安全法第23条第1項の規定に基づく事故等原因調査報告書)」

販売者に課せられる罰則は

こうした情報から、上記の「歯固めジュエリー」について保護者はリスクも検討する必要がありますが、現状販売している段階で罰則が与えられることはありません。

ただし、製品事故被害者の救済措置として製造物責任法(PL法)ー製造物の欠陥により、生命、身体または財産に対する損害が生じた場合に、被害者が製造業者や加工・輸入業者などに対して損害賠償責任を請求できるという民法の特則が存在します。

これには製品の欠陥、予見できる用途での予防措置の有無など、責任の所在によっても請求の可否は変わり、請求には多くの調査時間を必要とすることも注意が必要です。

一方で、こうした危険が少ないものを選ぶのであれば、ST基準を目安にすることが一つの方法です。

ST基準とは機械的安全性、可燃安全性、化学的安全性という3つのハードルのことで、クリアした製品にはSTマークが付き「安全面を慎重に精査し作られたおもちゃ」として安心して使うことができるというもの。

「歯固めジュエリー」は決して禁止されたおもちゃではないものの、「危険を伴う可能性がある」玩具には保護者の監督責任の上で取り扱うものであることを念頭に、楽しく使い分けることが保護者に求められます。

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