ねこは人を選ぶ?医師の勉強中に現れた迷子の黒猫、まさかの病気を抱えていて…出会いに感動の声

医学生の“最初の患者さん”との出会いが尊いと話題に

医師の国家試験を目指していた
Dr.だすまんちゃん(@dasmanchan)さんの投稿がXで注目を集めています。

ねこ、人を選んでいる?「医学生の頃、家の裏口を開けて国試の勉強をしてたら」

「医学生の頃、家の裏口を開けて国試の勉強をしてたら小さな黒猫が来るようになった。なんでうちに?と思いながら手元の聴診器で心音聴いてみたら、明らかな心雑音があって、動物病院に連れてったらファロー四徴症と診断されたのはびびった。」

なんと、偶然やってきた黒猫ちゃんが先天性の心臓病を抱えていたというのです。しかも、本人はまだ医学生。まさかの出会いに驚きつつも、きちんと病院に連れていったことで猫ちゃんは保護され、飼い主の元で暮らすことに。

「毎日勉強してるときは黒猫ちゃんがそばを離れなかった。試験のために荷造りしてるときもじっと見てて、出発の日の朝には玄関でずっと見送ってくれた。めっちゃ国試応援されてる感あったし、猫って色々わかってる気がしてならない。」

その後正式に飼いネコとなり、飼い主さんのもとで暮らしたという黒猫ちゃん。ハンディもあってすでに天寿を全うしたものの、投稿からは幸せな暮らしぶりだったことが伝わるようです。

ネコの「ファロー四徴症」とは

ファロー四徴症(しちょうしょう)は、先天性の心臓疾患のひとつで、人間の赤ちゃんにもまれに見られる病気です。
「四徴」とは、4つの心臓の異常が組み合わさっていることを意味しており、

  1. 心室中隔欠損(しんしつちゅうかくけっそん)
  2. 肺動脈狭窄(はいどうみゃくきょうさく)
  3. 大動脈騎乗(だいどうみゃくきじょう)
  4. 右心室肥大(うしんしつひだい)

という4つの症状から成り立っています。

ネコにおいても発症例はありますが非常に稀で、特に一般的な動物病院で診断されることはほとんどありません。
この疾患を持っていると血液の酸素供給がうまくできず、チアノーゼ(皮膚や粘膜が青紫になる症状)が現れたり、呼吸困難や運動不耐性(すぐに疲れてしまう)といった症状が見られることがあります。

治療としては、人間と同じく手術が必要ですが、猫の場合はリスクが高く、外科的治療が選択されないことも多いのが現状。

そもそも発見すること自体も難しいようです。

獣医師の見解も

ファロー四徴症は人間でも珍しい先天性の心疾患。猫の場合はさらにまれで、SNSでは獣医師からの意見も寄せられていました。

  • 「ファロー四徴症を診断できるのは獣医循環器の専門医クラス」
  • 「診断に至るまでが非常に難しい症例。この話、かなり端折ってる部分もあるとは思うけど、珍しいことは間違いない」

という専門的な声もありましたが、それでも“猫ちゃんが自ら助けを求めた”ようなタイミングに、多くの人が心を動かされたようです。

運命的な出会いに「目から鼻水が」感動の声

SNSではこの投稿に対して多くの反響が。

  • 「もう5年近く前に天国に行ってるんですね…きっと幸せだったと思います」
  • 「黒猫ちゃんなりに、短くても濃く生きられたと思います。救ってくれてありがとう」
  • 「外猫のままだったら、きっとすぐに命を落としていたと思う。本当に巡り合わせってあるんだなあ」
  • 「黒猫ちゃん、早く毛皮を脱いで、また主の元に戻っておいで……あれ、目から鼻水が」

という温かい言葉のほか、

  • 「始めての患者さんが猫って熱すぎる」
  • 「医学生だと分かって来たのかな。助けてくれるってわかったのかも」
  • 「同じ医療職だけど、ファロー四徴症は教科書でしか見たことない…すごすぎる」
  • 「まだ免許取ってないのに名医では?」

といったまるで運命を感じさせる展開に、驚きと称賛の声も相次ぎました。

猫は自分に必要な人を、本能で見抜く――。
そんなふうに思わせてくれる、不思議で温かいエピソード。
たった一度の出会いが、誰かの命をつなぐこともある。
そんな希望と優しさを感じる、黒猫と医学生の物語でした。