サクマ式ドロップ廃盤で赤い缶惜しむ声「サクマドロップと共に生き残って欲しかった」緑缶は存続

「サクマ式ドロップス」を製造販売する佐久間製菓(株)が2023年1月20日に廃業することが明らかになり、話題となっています。「赤いドロップ缶」として1948年に創業以来今年で創業114年目となる佐久間製菓ですが、時代の流れとともに暖簾をおろすことに。多くの人が知る数少ない老舗メーカーであっただけに、廃業を惜しむ声が寄せられています。

サクマ式ドロップ廃盤で赤い缶惜しむ声

佐久間製菓のドロップは赤い缶がトレードマークであり、戦後分家となったサクマ製菓の緑の缶とは完全に区別されています。創業当時から缶の色はほぼ赤で統一されており、古き良きスタイルを貫いた形。

2007年代には「火垂るの墓」とのコラボとして節子のイラストが缶にプリントされたものが復刻版として販売されています。これについては「見ると切なくなったの思い出した」いう声もありましたが、商品を代表するパッケージともなりました。

ちなみに「サクマ式」と名のつく理由は、当時英国から輸入されていたドロップを再現することに成功した独自の手法を指すそう。当時は競合他社もありながらこの時代まで生き残った理由は”新鮮な味覚と風味”なのでしょう。114年というロングランを果たしたことは大きな功績といえます。

出典:佐久間製菓(株)公式HP

 実は佐久間製菓の赤い缶に入ったドロップの味と、サクマ製菓の緑の缶に入ったドロップの味には若干の差があります。

佐久間製菓は・イチゴ・レモン・オレンジ・パイン・リンゴ・ハッカ・ブドウ・チョコ

なのに対し、

サクマ製菓は・イチゴ・レモン・オレンジ・パイン・リンゴ・ハッカ・メロン・スモモ

というラインナップ。どちらも8種の味があり、赤缶と緑缶が別会社のものであると知らない子供時代には「あれ?ブドウ味がない!」となった経験者も少なくないかもしれません。

「サクマドロップと共に生き残って欲しかった」緑缶は存続

廃業の一方にネットでは「最近は見ても買うことはなかったもんなぁ」「缶だからって買わなかったのもあるなぁ」と、時代の流れと共に手に取る機会が減っていったという声も上がっています。

安価製品との競合のほか、その他のヒット商品に恵まれなかった。さらに新型コロナウイルスの感染拡大による需要減も重なり、2021年9月期は1億5,173万円の最終赤字を計上し、財務内容が後退していた。「廃業のお知らせ」によると、廃業日は2023年1月20日。廃業の理由は、新型コロナの影響による販売減や原材料、エネルギー価格の高騰、人員確保の問題などをあげている。出典:東京商工リサーチ

もちろん佐久間製菓は他にも複数の商品を販売しており、プラスチックパックのドロップも販売していました。しかし「ドロップ以外でヒット作に恵まれなかったのもあるかな」のSNSでの声の通り、他のヒット商品に恵まれなかったこと、原材料の高騰、需要減などの環境変化が大きな痛手となったことは事実のようです。

「老舗だからこそ、SNSで宣伝をしてなんとか生き残って欲しかった」「クラファンとかなんでも利用したらドロップの製法を残せるのでは」

出典:佐久間製菓(株)公式HP

そんな声も聞かれます。対してサクマ製菓は「いちごみるく」がロングセラー商品の一つとして認知されており、わずか創業年数が一年違いでありながらまだまだ現役を貫くとのこと。

来年廃業とはいえ赤缶はまだまだ製造中。唯一無二の味を今のうちに味わっておきたいですね。