アルコール濃度が低い商品の見分け方は?「5%〜30%の偽物」韓国製が出回り問題に

2020年5月19日、消費者庁は「アルコール71%配合」と表示していたジェルタイプのアルコール消毒液について、実際は殺菌効果が得られない5~30%程度の濃度で景品表示法違反(優良誤認)に当たるとして、化粧品輸入会社「メイフラワー」(東京都千代田区)に再発防止命令を出したことを明らかにしました。

「メイフラワー」は同商品を3月末ごろから約6万4千本輸入・インターネットなどを通じて販売。また今回と似たタイプのアルコール消毒剤の偽物が国内に出回っている可能性も考えられます。

「アルコール濃度の低い商品」を自分の目で見極める方法についてまとめてみました。

アルコール濃度が低い商品の見分け方は?

見分け方のなかで最も信頼できるのが濃度表示。アルコールの濃度が%ではなく【v%】もしくは【w%】と表示されていれば、アルコール除菌用途として作られた商品であると考えられます。

逆にこの表示が曖昧な状態で「空間除菌」「OOイオンで除菌」といった表示がある場合は、アルコールとは別の成分(主成分が水など、アルコール(エタノール)以外の成分)で作られたもので、除菌効果が自社基準で謳われているということになります。

アルコール濃度が除菌に適したレベルで配合されている商品の成分表は

例)「手ピカジェル」
エタノール(C2H6O)76.9~81.4vol%、
リン酸
グリセリン
アラントイン
ミリスチン酸イソプロピル
グリセリン脂肪酸エステル
パラオキシ安息香酸エチル
N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-アルギニンエチル
DL-ピロリドンカルボン酸塩
ヒドロキシプロピルセルロース

一方でアルコールが含まれない除菌剤の成分表は

例)「商品J」
水、抗菌剤、安定化剤、除菌剤

上記のような表記がされています。

こうした商品には「すべての菌を除菌・抗菌するわけではありません。」と表記があれば親切ですが、海外商品についてはそうした表記がない場合もあり注意が必要です。

まとめると、正規のアルコール除菌商品には

・指定医薬部外品/表示医薬部外品と表示
・第三類医薬品などと表示
・アルコールの濃度が%ではなく【v%】もしくは【w%】と表示(76.9~81.4%が国内で「除菌」認められる基準)

とあれば、アルコールが表示分量で含まれている商品である、と信じて良いでしょう。

アルコールは濃度が低いと効果が期待できない。

今回消費者庁が再発防止命令を出した商品は、殺菌効果が得られない商品を、高濃度のアルコールが配合されていて除菌効果があるかのように見せたことが問題視されました。

日本国内でアルコールの除菌効果があると認められている濃度は76.9~81.4%。

正規の消毒用アルコールの販売許可は「指定医薬部外品」であれば薬機法には触れないため販売ができるため、今回のように化粧品輸入会社が販売すること自体は問題がなかったと言えます。

同庁表示対策課によると、「水もタオルも要らないすり込み式の洗浄ジェル」とうたい、高濃度のアルコールが配合されているかのように表示していた。消費者からの苦情を受けたメイフラワーが検査し、消費者庁に報告した。商品やラベルは韓国で製造されたという。出典:産経新聞

安い除菌ジェルにはご用心

5月連休が明け、マスクの値崩れとともにアルコール除菌のジェルなども各地で出回るようになってきました。

スーパーや雑貨屋等で200円〜1000円程度で見かけるものもありますが、「アルコール除菌」の効果を求める場合は濃度表示がきちんとされているか、一度確認をしてみてください。