鬼滅作者のTwitter偽アカウントなぜ・罰則は?成り済ましにジャンプ公式が注意喚起

2020年5月18日未明、人気漫画「鬼滅の刃」の作者・吾峠呼世晴先生に成り済ましたTwitterアカウントが作成されフォロワーを集めていた問題で、集英社「少年ジャンプ」編集部の公式Twitterが即座に反応し、注意を呼びかけました。

成り済ましアカウントはすでに削除済みであるものの、同アカウントの持ち主は獲得したフォロワーを維持できる可能性が高く今回のような詐欺手口に対する周知が必要そうです。

なぜ偽アカウントが出回るのか、その理由と罰則についてまとめました。

鬼滅作者のTwitter偽アカウントなぜ

17日深夜〜18日未明、人気漫画「鬼滅の刃」の作者・吾峠呼世晴先生に成り済ましたTwitterアカウントが現れ、話題になりました。

深夜帯にも関わらずアカウントが作成・投稿された時間から1時間のうちにフォロワーを数万人集めていた同アカウントには、いいねが6000千件以上ついた他、コメントも数百件に及ぶほど。

これに対し、ジャンプ公式が注意喚起。こうしたことが予測済みとばかりに迅速な対応が取られました。

すでに現在はアカウントは「存在しません」状態に。アカウントが削除されたかプロフィールを変更したものとみられますが、4万人近いフォロワーを集めたことは確か。

なぜすぐに消えるアカウントを作成したのか・・こうした悪戯の背景には、以下のような悪質な理由が考えられています。

Twitterアカウントの売買関与か

Twitterにはアカウントの売買が存在しています。フォロワーをそのまま引き継ぐことでアカウントの信頼性が得られるという利点があり、双方の利益となるために譲渡自体は一般化している様子。

Twitter公式はアカウントの売買を禁じており、こうしたアカウントには削除の措置をとるとしています。

アカウントの売買などについて、フォロワー数や「いいね」、リツイート数を増やしたり、フォローやフォロー解除を行うサービスやツールの利用や利用の助長はTwitterルールで禁じられています。このような行為を行っているアカウントは、一時的または永久に凍結されることがあります。また、凍結されたアカウントの代替として作られたアカウントも永久凍結されます。「Twitterルール」ページ“スパム”の項目をご覧ください。

また、当然「なりすまし」行為も禁止されています。「なりすましに関するポリシー」で定められています。出典:ねとらぼ

今回のように数万人のフォロワーを持つアカウントが2万円〜3万円で他人に譲渡されることも日常的に行われています。

しかしアカウント売買自体には問題がなくても、今回のような有名人の「成り済まし」アカウントが度々現れるのは、こうした場での販売用に作られているためという可能性もありそう。

出典:RMT.club

インフルエンサーの案件依頼目当ても

さらに、Twitterのフォロワー数によっては、広告案件の依頼があることも。

いわゆる「インフルエンサー」になりすませば、宣伝効果があると見なされ、Twitterで広告を発信してほしいという「仕事」までもらえてしまうというもの。

もっとも、Twitterには偽アカウントを見つける「Fake Follower Check」などのツールもあるためそう簡単には騙されないはずですが、正規ルートで獲得したフォロワーを縦に水増しフォロワーを隠すことも可能ではあるようです。

例えば「水増し疑惑」として有名なのがタレントの木下優樹菜さん。

美容に関する広告宣伝の多い彼女の収入は広告費×フォロワー数で算出されるためフォロワーが多いほど「稼げる」のですが、彼女のフォロワーの中には正体不明の海外フォロワーが複数おり、一時「アカウントを買っているのでは」と噂されました。

真偽は不明ですが、もし買っていれば、それだけのリターンも見込めるのがこの案件用の買取といえそうです。

フォロワー500万人のタレントと、数万人のタレントとでは企業との提携オファー数に差が出てしまうなど、広告収入を得ることを生業とする彼ら、彼女らには“決定的な数字”とも考えられるのだ。

いちバラエティータレントに過ぎない木下が530万人ものフォロワーを抱えていることには不自然だとする声が多く、SNSでは『炎上してるのにフォロワーが530万人から一向に減ってないのも怪しい!』『木下のフォロワー見ると、有名人を20人ぴったりフォローしてる人ばっかり』『木下のインスタ投稿に中東の人がイイネしてるんだけど、その人はイイネ専門なのか、木下をフォローしてないのにイイネしてる』『木下優樹菜に530万人のフォロワーはおかしい』などのコメントが続出しています。出典:Asajo

罰則は「バレなければなし」の現状

現状Twitterではこうした偽物・成り済ましに対しアカウントの永久凍結・削除の厳しい措置を敷いていますが、アカウントの売買が横行していることや成り済ましが減らないことを鑑みると、こうした取締りをすり抜ける者は存在するようです。

今回の場合も「すでに名前を変えて時間を置いて現れるはず」という意見があり、アカウント名などを気軽に変えることができるTwitterの特性上、フォロワーを引き継いだまま運営ができてしまうことが予想されます。

なりすましに関するポリシー違反にならないケース

アカウントのユーザー名や外見(プロフィール画像など)が似ていても、なりすましに関するポリシーに違反しているとは限りません。なりすましに関するポリシー違反に該当するのは、誤解を招く方法や虚偽的な方法で他の主体のふりをしている場合です。

次の場合には、アカウントは削除されません。

  • 名前が同じでも、それ以外に共通点がない
  • 名前が似ている個人やブランドと、縁故や関連がないことがプロフィールに明記されている

Twitter利用者は、パロディアカウント、ニュースフィード、コメンタリーアカウント、ファンアカウントの作成が許可されています。こうしたアカウントの詳細については、「パロディ、ニュースフィード、コメンタリー、ファンアカウントに関するポリシー」をご覧ください。出典:twitter

成り済ましに気がついたら報告を

こうした成り済ましは成り済ましにあった被害者に迷惑がかかるだけでなく、フォロワーの情報が盗まれるなど危険も孕みます。

「成り済ましている」疑わしい場合は公式サイトなどに問い合わせ、または公式サイトの発表を待つ他、twitterのプロフィールや発言を注意して見ることをお勧めします。

そして成り済ましに気がついた場合はTwitterに報告することも可能です。

当事者が通報する場合はこちら

なりすましをしていると考えられるアカウントを報告する場合はこちら

今回鬼滅作者、吾峠呼世晴先生ご本人でないことには残念なフォロワーも多いはずですが、ジャンプ公式のスピード対応が功を奏し最小限の被害で食い止めたことも事実。

ネットではこの対応に賞賛の声も上がっていました。