菅官房長官は11日、新型コロナウイルスの国内の感染者数が把握仕切れない状況の打開策として「抗原検査や抗体検査、さまざまな方策を検討して、感染状況の適切な把握に努めていきたい」との考えを記者団に示しました。
また東京都の小池知事も同日記者団に対し「都としても、PCR検査だけでなく抗原検査や抗体検査を進めていきたいと考えている」と説明。
新型コロナの感染状況を知るための新たなツールとして登場した「抗原検査」とは何なのか?また抗体検査とは何が違うのかをまとめてみました。
抗原検査とは?抗体検査との違い
「抗原検査」は新型コロナウイルスの感染症にかかっているかどうかを確認するもので、「富士レビオ」が考案した検査キットを今月13日に厚生労働省が承認、実用化する見込みです。
抗原検査はインフルエンザの簡易検査と同様ウイルスに含まれる特徴的な物質を調べる検査で、鼻の奥の粘膜から採取した検体をキットにたらし、線が浮かび上がるかどうかで判断。
「抗原検査」の最大のメリットは検査が容易で検査結果が早いこと。検査は10分から15分で完了し、30分ほどで結果が得られるといいます。
一方でデメリットはPCRほどの精度を持たないこと。十分な「抗原」が含まれていないと反応しないため、感染直後などに発見ができない可能性があります。
また検査が効率化され相対的に陽性患者が増えることで、医療従事者への負担が未知数であることもデメリットの可能性として挙げられます。(当面は専門外来などで限定的に使用される予定)