今月15日、海外メーカーから購入した人気プロテインバーの中から生きた虫が出てきたという情報が複数のSNSアカウントから報告され、動画や画像が拡散される事態が発生。
その後、海外メーカーの発表した謝罪文で「製品に問題はない」ことを強調したことから、日本国内のプロテインユーザーからは「企業に責任はないということか」「もう買うことはない」と非難の声も上がっています。
事故原因について企業が出した答えは「輸送中の事故」。生産過程の違いと日本の高温多湿の環境から、今後に改善には困難があることも明らかになりました。
マイプロテインの虫混入の原因は?
「マイプロテイン」はイギリスのオンラインの小売業者で、フィットネス需要に特化した食品を製造および販売している企業。価格が安く、国内でYoutuberが商品を進めたことなどが人気に火をつけたとされ、個人で購入する人も多い現状があります。
今回の虫混入に気づいた20代男性も12本入を購入し、SNSでも「今日届く予定だった」「ちょうど同じロットの食べてる・・」などユーザーの声も。
虫の混入した原因について、企業は公式サイトで「輸送中の事故」として報告。
製品に問題がないことを前置きした上で、「この事態を重く受け止め、品質管理体制の強化、再発防止に努めてまいります。 」とコメントしています。
マイプロテインでは、最高品質の製品とサプライチェーン基準を保っております。当社の製造施設は、BRC AA認証を取得しており、国際標準化機構(ISO)に準拠しています。 この問題は当社の製造施設では発生しておりません。
弊社では、この事態を重く受け止め、品質管理体制の強化、再発防止に努めてまいります。
<<お知らせとお詫び>>
弊社製品カーボクラッシャー異物混入に関するお知らせhttps://t.co/B8gVva3dl7
— マイプロテイン [公式] (@MyproteinJP) September 14, 2020
貿易企業が虫混入の原因をTwitterで解説
公式サイトではこれ以上の説明はないものの、輸入メーカーの三幸貿易は自身の公式Twitterで「輸送中の高温多湿への弱さ」「殺卵機を使わない生産体制」が直接の原因ではないか、経験則を明かしました。
要約すると
・マイプロテインに虫が発生したのは、日本にあって海外にない「穀物につく虫を殺す工程」のせい。
・海外の外気が乾燥しているため、虫は羽化しない(増えない)。日本は高温多湿であり、輸送中に虫が羽化してしまう。
・しかし害虫ではない為、海外では食べても問題ないという考えが根底にあり、海外ではあまり問題視されない。
・輸入業者はこうしたトラブルを防ぐために衛生基準の高い「日本の様な特殊な市場」においては特に重要な役割を果たしている。
三幸貿易から見れば、今回の事故は起こるべくして怒ってしまったものだといいます。
(・~・ ).。oO(日本で批判されている理由は2点です。
1.輸送途上での発生という説明
2.安全に対する説明1ですが、海外の小麦や燕麦などの商品には一定の確率で虫の卵が入っています。
この為、日本の高温多湿な環境では孵化して繁殖する事は珍しくありません。パスタでもよくあります。)— 三幸貿易公式 (@SANKO_TRADING) September 15, 2020
(・~・ ).。oO(海外では通常、粉体に殺卵機を用いません。なぜか?
必要性を感じていないからです。
比較的冷涼で乾燥しているヨーロッパでは滅多に孵化しない事と、これは2の答えにもなりますが
そもそも虫は危険ではないと言う考えに基づきます。)— 三幸貿易公式 (@SANKO_TRADING) September 15, 2020
(・~・ ).。oO(人体に有害な物質と違い、虫や毛の混入は褒められるべき事では無いものの、大騒ぎする程の事ではないと考えられています。
弊社も昔、パスタで虫が湧いたと報告しても「Sorry」の一言しか返事が来なかった経験があります。
日本以外の国ではほぼ、同じ感覚です。)— 三幸貿易公式 (@SANKO_TRADING) September 15, 2020
(・~・ ).。oO(この様に海外メーカーになりかわって商品管理を行い、問題発生時に対応するのが商社の仕事であり、日本の様な特殊な市場においては特に重要な役割を果たしています。
大学にいた頃、中抜き、商社不要論が喧しかったものですが、現実社会はそう簡単では無いと考えます。)
— 三幸貿易公式 (@SANKO_TRADING) September 15, 2020
衛生基準の違いにより改善に困難も
こうした三幸貿易のTwitterの解説のように、事故原因が輸送中の事故であることはマイプロテインが回答した通りのよう。
しかし「虫の卵は食べても問題ない」という海外と日本のユーザーの衛生基準/価値観の違いから、メーカー側での改善は難しいという見方があることもわかってきます。
さらに動画が拡散されていく中で、マイプロテインの販売するその他の商品「プロテイン」などでも「パッケージングが甘い」「中身がこぼれていた」「段ボールが粉っぽかったけど、もしかして・・」といった声も表に出てきており、信頼はかなり下がってしまったよう。
「日本の特殊な市場」にメーカーが理解を示すことが、今後のトラブル改善の鍵となりそうですが、「文化」とも言えるこうした価値観の差異にメーカーがどこまで対応してくれるのか、行末が気になるところです。
ネットの反応
マイプロテイン https://t.co/nA5mtv4skR で購入した未開封のプロテインバーから大量の虫が出てきた件について、サイト公式が「お知らせとお詫び」を投稿
↓
「第三者機関に調査させた結果『輸送中の事故』。なのでウチは無関係」「食べても問題ない虫だから安心して」というムチャクチャな内容で炎上 pic.twitter.com/91AAY4ZZHu— 滝沢ガレソ (@takigare3) September 15, 2020
一連のツイ読みました。食品(口にするもの)でも国によっては基準や考え、気候などが様々で「???」なのを購入時に手助けしてくれるのが商社なんだと。日本の様な特殊な市場ではホント重要なんですね。 今でこそ種類豊富な塩も、商品展開には様々なハードルがあったとか。。。
— marimo_comomo (@marimo_koneko) September 15, 2020
「問題ない、と言われても不快だし許せない」
この感覚が国や文化によっても違うんでしょうな。
宗教上の不食なんかも、逆に日本人は「食べて死ぬわけでもないのに大げさだよな」と考える人も少なからずいるでしょう。
そういうことでしょうね。
汚れではなく、何を穢れとするか。— ぎゃるそんさん (@garcons_oszo) September 16, 2020