大分県・BBQ孤立を救助も批判の声・孤立の原因は?玄倉川の水難事故との共通点や危険性についても

2019年8月14日、大型台風が迫る最中、大分県の玖珠町(くすまち)の渓谷でバーベキューをしていた18人が孤立して救助隊が出動する事態となり、話題になっています。

ネットでは20年前に起きた玄倉川の水難事故を思い出す人が多く「事故を知らないはずがないのになぜ・・」と、未然に防ぐことができなかったのかと意見する声も多数。

大分県で発生したBBQ孤立の状況と、孤立の原因、玄倉川の水難事故との共通点や危険性についてもまとめます。

大分県・BBQ孤立を救助も批判の声・孤立の原因は?

捜索は難航したものの、18人は午前8時過ぎに無事救助され、全員怪我もなく無事とのことです。

同消防組合などによると、18人は生後5カ月から40代までの一行。車6台に分乗して佐賀県から訪れていたとみられる。

消防と警察が救助に向かったが、現場がはっきりせず河川の水位も高かったことなどから、15日午前2時にいったん活動を中断。同日午前7時すぎから、40人態勢で救助活動を再開し、同日午前8時すぎに一行を発見した。一行は車から離れて小高い場所に逃れ、テントなどで雨をしのいでいた。全員命に別条はないという。(出典:朝日新聞)

孤立の直接的な原因は、近くの奈女川の増水により車が水没したことで「下山する手段を失った」ことによるもののようです。

ただ、水没に到るまでの詳細な経緯は不明。今朝までの報道では以下のように報道されていました。

警察などによりますと、午後4時半ごろに「車が水没して動けなくなった。助けてほしい」と取り残されたうちの1人から119番通報がありました。

現場は玖珠町にある大谷渓谷の近くで、大人7人、子ども11人の合わせて18人でバーベキューをしていたところ、近くの奈女川が急激に増水したため動けなくなったとみられています。

孤立している18人には5カ月の赤ちゃんもいるということです。一行は現在、小高い山の上に避難していて、18人全員の無事が確認されています。食料や飲み物はあるということです。出典:ANNニュース

台風接近時に・・大分の水難事故は予想できたはず

当時、大分県は台風10号の影響で暴風域にあり、急な天候の変化や大雨の可能性が十分に予測できる状況にありました。

気象庁によると、当時玖珠町では57ミリの雨量を観測。BBQ時は雨が降っていなかったのかもしれませんが、連日の雨水も含めてかなりの水を蓄えていた可能性があります。

川の増水で、一気に水かさが上がって流される可能性は十分にあったでしょう。

幸い、怪我もなく救助隊が駆けつけることができましたが、このような危険を想定できず、子供や救助隊の人を危険に晒すこととなった大人に対して、ネットでは非難の声が上がっています。

玄倉川の水難事故との共通点や危険性

変わりやすい山の天気。これに加え大型の台風10号が影響し川の増水は予想できたはず。

ちょうど20年前の8月14日にも全く同じ人数でバーベキューをしたグループが川の増水で孤立する事故があり、13人が命を落とした「玄倉川の水難事故」が思い起こされるという声がネットでは多く上がりました。

玄倉川の水難事故とは

1999年8月14日、山北町玄倉の玄倉川の中州で前日からキャンプをしていた子ども6人を含む行楽客18人が大雨やダム放流による増水で取り残され、救助活動中に流されたもの。5人は救助されたが、13人が死亡。

中には1歳の赤ちゃんもおり、「大人の危機意識のなさ」が子供の命を奪う例としても有名。

消防隊や近所住民の再三の警告を無視し、救助隊員らにも罵声を浴びせたことから、ネットでは多くの非難を浴びた。


この2件の事故に共通することは、「川遊びに対する考えが甘かった」ことなのかもしれません。

  • 「ニュースや世間の声などの周囲の警告」の無視
  • 川の増水に関する知識不足
  • 自分は大丈夫だという過信
  • 水難事故の想定ができない

こうした共通事項があげられそうです。

当日は楽しみにしていたバーベキューだったかもしれませんが、川遊びは怖さもつきもの。

今回の観光客の18名にも、増水に対する危機意識があれば、避けることができたのかも。

川で遊ぶ際には、「山の天気が変わりやすいこと」「ニュースや警報・周囲の声には十分耳を傾けること」「川遊びの注意点をあらかじめ知っておくこと」が必要でしょう。

特にすぐに川から離れなければならないのは、以下のような時。

      • 大雨注意報、警報が発表されたとき。
      • 川の上流の空に黒い雲、積乱雲が見えたとき。
      • 空が急に暗くなり、雷の音や光が見えたとき。
      • 急に水かさが増え、川の水がにごってきたとき。
      • 急に落ち葉や流木、ゴミが流れてきたとき。
      • ダムの放流のサイレンが聞こえたとき。
      • 橋の下も危険、雨やどりせずに、川からはなれよう。
      • あぶないと感じたら、周りの人にも声をかけて、すぐにみんなで避難しよう。

出典:国土交通省「川のことをよく知ろう!」 

安全に楽しく遊ぶためには、こうした知識も必要ということですね^^

ネットの反応

ネットの声
台風が来るって言われてるのに河原でキャンプやるかね? 赤ちゃん連れてバーベキューって…
ネットの声
全員助かって欲しいが… 救助費用は自己負担でお願いします。
ネットの声
消防隊も生身の人間だし家族や子供もいるのだから、台風が去った土曜日くらいに救助に向かえばいいよ。二次災害とかあり得ない。