三峡ダムが決壊寸前に・シュミレーション動画が正しければ未曾有の大災害に

中国・長江中流域の湖北省宜昌市三斗坪にある世界最大の水力発電ダム「三峡ダム」が、20日現在で過去最高の水位となっていることが明らかになりました。

これまでに7度決壊を免れた三峡ダムですが、これまで決壊の危機を詳細に報じたFRIDAYなどの情報を照らしても、ブラックスワン(未曾有の大災害)ギリギリの状況が浮き彫りとなっています。

これまで週刊誌が取り上げてきた「決壊の恐れ」危険性を含む三峡ダムの、現在の状況をまとめました。

三峡ダムが決壊寸前に

毎年6月から8月までは「洪水期」と言われる中国。(13日の会見で当局は今年は9月まで続くだろうと発表)

中国国営中央テレビによると、現在の三峡ダムへの入水量は過去最大の毎秒7万6千立方メートルに近く達する見通しで決壊まであと10メートルに迫るといいます。

問題は水位だけでなく、そのダムの耐久性にも。

ダムが決壊寸前と言われる理由

複数の週刊誌の報道によれば、中国の地元紙幹部から「致命的な欠陥工事により、すでにダムへの亀裂、歪みなどがある」という情報を掴んでおり、googleマップでは「ぐにゃぐにゃに歪んだ三峡ダム」が確認され、多方面から中国当局の説明と食い違う情報が確認されているのです。

Googleマップも偽造?コロコロ変わる画像

こちらが現在のgooglemapでみる三峡ダム。しかし今年6月の画像とは明らかに違うところが・・。

2020年6月の画像

明らかに様子がおかしい三峡ダム。出典:東海アマブログ

中国当局ではこれを「弾力性だ」「亀裂はデマ」などと説明し、安全性の高さを度々主張しているが、疑念は尽きません。

現在の三峡ダムは、普通のダムが決壊したときと同じレベルの量を放水しています。それでも追いつかず、水位は危険な状態のまま。しかも、毎秒1万7800㎥ずつ水を溜め込んでいる。水には土砂が混じっているので、ダムにかなりの負荷がかかっていると予測されます。出典:FRIDAY

公には「万一」の被害想定を報じないものの万が一決壊すれば中国本土を飲み込み、被害予測のできないほどの大災害となることが危険視されている。

ダム下流の洪水被害の現状

中国当局の水利部が13日に行った会見によると、2020年に入り洪水による直接的な経済的損失は1,790億元(約258.2億米ドル)に達し、死者は219名。

死者は過去5年間で減少傾向にあるとしながら現時点で中国全体で6,346万人が被災し、その被災規模は1998年(6月ー9月)に起きた壊滅的な洪水被害の規模を超えた、とも報じられており、9月までに三峡ダムが危機的な状況に晒されることも予想されます。

これまで決壊を回避したのは「穴あけ」治水工事

三峡ダムはこれまでに7度、決壊の危機に瀕してきたが政府の「洪水危機への対応」により事なきを得てきました。

前回危険な水位を観測した先月末にも、中国国営通信社の新華社通信は31日「洪水流出のための深い穴を開けた」ことを発表。

「ダムの治水が滞りなく行われ「過去6回、洪水の封じ込めに成功」などと報じたものの、今後同様の対応が可能かどうかについては明言されていません。

シュミレーション動画が正しければ未曾有の大災害に

さらに作者不詳の「専門的な」洪水シュミレーション動画がネットで拡散されると、日本でも「ただ事ではない」「日本企業も危ない」と問題史するコメントが上がっています。

万一決壊すれば4億人(中国の全人口は13.6億人)が被災すると見られている三峡ダム。

この決壊により、「未曾有の食料・水不足・経済的打撃」が予測されているといいます。

今年6月14日、中華人民共和国水利省高官は会見で「中国最大の洪水を制御することはできるが、現在の能力を超えれば“ブラックスワン”のような事態になりうる」と発言していますが、それ以外は中国当局は一貫して「安全だ」と主張。

決壊が現実的になった現在においては「すでに決壊しているが当局が隠している」という情報もあり、ネット上の情報は錯綜しています。

三峡プロジェクトは洪水流出のための深い穴を開けた(7月31日に撮影)。

三峡グループの発表によると、7月29日14時には三峡プロジェクトの流入量が毎秒34,000立方メートルに低下し、2020年の長江第3洪水が無事に三峡ダムを通過したことを確認したとのこと。

これまでのところ今年の洪水シーズン以来、三峡プロジェクトは6回の洪水への対応に成功しています。

複数回の貯水と放流により、治水貯水容量の利用率が向上しました。総貯水容量は約182億立方メートルで、長江の中流と下流の治水圧力を効果的に緩和しています。出典:新華社通信

万が一決壊すれば、約30億立方メートルの濁流が下流域を襲い、4億人の被災者が出ると試算されている。安徽省、江西省、浙江省などの穀倉地帯は水浸しになり、上海市は都市機能が壊滅して、市民の飲み水すら枯渇してしまう。上海には外資系企業が2万2000社あり、経済的なダメージ次第では世界中が損害を被る。出典:NEWSWEEK

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