ユタ州の国立公園で転落事故の理由は?アーチーズ国立公園の現在の状況や事件の可能性は

岩のアーチが観光名所として知られるアメリカ・ユタ州の「アーチーズ国立公園」で、先月28日、日本人の男女2人が転落して命を落としていたことが明らかになりました。

当時は感謝祭が行われ、多くの観光客が訪れていましたが他に30代の日本人男性も転落してけがをしており、容体や2人との関係性にも注目が集まります。

日本人3名の「転落」の原因や、当時の様子や事故状況について現時点でわかっていることをまとめました。

ユタ州の国立公園で転落事故の理由は?

アーチーズ国立公園で先月29日、網本敏明さん(65)とその妻と見られる日本人2人が転落したと報じられました。

詳しい状況や怪我の30代男性の容態についても不明だとしています。

11月29日午前7時半ごろ、ユタ州のアーチーズ国立公園でハイキングをしていた日本人の男女3人が転落した。

地元警察などによると、死亡したのは、カリフォルニア州の網本敏明さん(65)と妻とみられている。

また、一緒にいた息子とみられる30歳の男性もけがをして、ヘリコプターで病院に搬送されたが、けがの程度はわかっていない。出典:FNNPRIME

現地ニュース報道では「滑落」示唆も

現地のニュースでもこの事故についてはニュースになっており、転落の原因については同じく「不明」で、警察が調査中だとしています。

一方で死亡した2人は「ハイキング中にデリケートアーチ近くのボウルエリアに落ちた」と報じられています。

当時現地は雪や積もり雨が降っていましたが、天候が起因していたかは「不明」。公立公園管理人は「病気以外の原因での死者は今年初めて」とコメントしています。

事故前後のアーチーズ国立公園のツイッターには「冬場のハイキングは滑りやすくなりますから注意を」という投稿もありました。

Two people died Friday while hiking in Arches National Park in Utah.

Chief Ranger Scott Brown said a 65-year-old man and 60-year-old woman died after falling into the bowl area near Delicate Arch. 出典:USA TODAY

これらの状況から、少なくとも亡くなった2人はハイキング中の「滑落」の可能性があると見られます。

現場となったアーチーズ国立公園は、アメリカ西部ユタ州にあり、浸食によってできたアーチ状の岩が2,000個以上あり、日本からの観光客も数多く訪れることで知られている。

公園のSNSは、この日、雪が積もっていて滑りやすい状況だと、来園者に注意を呼びかけていた。

出典:FNNPRIME

デリケートアーチとはどんな場所?アーチーズ国立公園の現在の状況や事件の可能性は

今回事故が起きた場所はデリケートアーチ近くのボウルエリア。

この事故で事件性はないと見られています。

デリケートアーチとは、アーチーズ国立公園のトレイルの中で「ゴール(目的地)」と言われる場所で、公式サイトでも「アーチーズ国立公園に来た観光客はこれを目当てに来る」とも言われています。

また写真右側にはデリケートアーチの右側にすり鉢状の傾斜が見えるこれが「ボウルエリア」と見られます。

出典:https://www.sltrib.com/

現地は片道1時間半ほどのトレイルののちに辿り着く場所と言われています。現地の経験者の方によれば危険はないものの、「体力や脚力が求められる」難易度の高い場所だといいます。

このトレイルは往復4.8km、所要時間は往復2.5時間となっており、難易度はアーチーズ国立公園の3段階(Easy/Moderate/Difficult)の中でもっとも難しい「Difficult」が設定されています。しかし、危険な場所はなく、体力と脚力さえあれば到達できると思います。出典:TEPS Notebook

またTEPS Notebookはトレイルは単独行動でなければ危険はないとしながらも「トレイルの後半は、岩山に沿って歩くルートになります。」「冬季はトレイルが凍結するので簡易アイゼンなどの装備を」と注意喚起も。

命綱やロープのない傾斜も多く、当時の足場が安定しなかった様子も想像できます。

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