2025年5月26日に政府備蓄米の売り渡しが公表されたことを受け、大手フリマサイト「メルカリ」では30日、備蓄米の販売を禁止することを発表しました。出品後も違反が確認された時点で削除対象となり、転売の抑止力にはなる一方で「古米」「新米」などと名称を変えて備蓄米を出品する人が現れ始めています。
メルカリで備蓄米を「古米」として出品する手口増加か
米不足が続く中、安定した供給を目指して「転売の禁止」対象に速やかに備蓄米を追加したメルカリには評価する声があがっていて、「備蓄米」大量出品は見られていません。
ただ数は少ないながら、出所や収穫・精米時期が不明瞭な米が「古米」として出品されていることがSNSで話題になっており「備蓄米(21年度産の古古古古米)を”古米”として売る人が出てきた」「メルカリの規約網をすり抜ける人出てきそう」と警戒の声も出ています。
メルカリで備蓄米とは書いてないけど
— とめちゃ🕊🐎🌟 (@tometya3104) May 30, 2025
古米ですって
これも袋入替しての転売なら
もうネット販売の米も買えることなさそう pic.twitter.com/TEj2OQ5gzL
以下はメルカリの発表した規約変更の文章。「備蓄米」表記の出品物は禁止されましたが、備蓄米を偽って「古米」として販売することまでは防ぐことができないのが現状です。
メルカリでは、誰もが安心して参加できる、多様で自由なマーケットプレイスを創るため「安全であること(Safe)」「信頼できること(Trustworthy)」「人道的であること(Humane)」の3つを柱に、外部有識者とともに「マーケットプレイスの基本原則」を策定、公開しています。今回の政府備蓄米は、この基本原則に照らし合わせ、出品を禁止することといたしました。
マーケットプレイスの基本原則について
https://about.mercari.com/principles/取り組み内容
「メルカリ」および「メルカリShops」における政府備蓄米の出品禁止対応
※随意契約対象の小売事業者は除く
- 政府備蓄米の出品の削除
- 政府備蓄米を出品したアカウントの制限
- AIなどを活用した政府備蓄米の出品の監視
出典:mercari.com
「偽新米も出てきそう」販売元に注意
備蓄米(21年度産の古古古古米や、ブレンド米)は新米や古米(昨年度収穫の米)に比べ味や風味がおちていることで知られています。
そのため、現在5キロ2000円台で販売することが目標とされていながらもその流通を待つことなく令和6年度産の米や新米を求める声は依然強く、10キロ1万円~1万5000円の相場は依然保たれたまま、現在も需要が減ることはありません。
そのため「価格よりも味や安全」を選ぶ人を狙った犯罪つまり、流通の少ない新米や古米と偽って、備蓄米などの米を偽装して販売する手口が増えていくのではないかという見方が強くなっています。
また、昨年5月からの米騒動に乗じ、「大規模な買占め」をした業者がこのタイミングで在庫を抱えきれず放出したがる時期でもあります。すでに不法投棄なども起きていることから、昨年買い占め、管理しきれずにカビや虫が発生した玄米を精米して売る行為も増える可能性が多くの米農家から指摘されています。
玄米も捨てられてました・・・。
— かながわ海岸美化財団 (@bikazaidan) May 29, 2025
この時期にどうして? pic.twitter.com/pteKMVhOK6
購入時には販売元の確認を
新米や古米を正しい保管方法で管理し、販売してくれる出品者との見分け方には十分な注意が必要です。メルカリのようなフリマアプリだけでなく、個人運営が可能なネットショッピング(ヤフーや楽天、Amazon)でも、収穫時期や産地が”偽装”されている可能性を疑って、出品者が農家なのか、きちんとした卸業者なのかを確認してから購入することが大切です。
食の安全が揺らいでいる今、消費者も目利き力が試されていきそうです。