大幸薬品は16日、空間除菌剤「クレベリン」シリーズの一部製品を、全国の医療機関に無償で提供することを発表しました。
「品薄で手に入らないという声が多かった医療機関の声を受け」た今回の慈善活動にもかかわらず、「明確なエビデンスのない商品」「散布する「二酸化塩素」はむしろ体に有害」であるという声によりSNSでは非難も声も上がることに。
これについて医療従事者はどう感じているのか・・?
クレベリンに医療従事者の反応は?
クレベリンとは、簡潔に言えば「”ウイルスの除菌効果が認められている二酸化塩素”を空間噴射する」製品。詳しくは下記公式サイトから。
クレベリンとは?→公式サイト
二酸化塩素とは?→wikipedia
メディアの報じるところによれば、この製品の品切れ状態が続き医療従事者に届かなかった経緯があると言います。
では実際医療関係者はどの様な反応であるのか。Twitterで「クレベリンの不足に困っている」ワードを含め検索すると、医師自らが同商品を肯定するものは見つけることができませんでした。
一方一部の医療従事者からは「信頼度に問題がある」などとして医院に置かないことなどを表明しています。
これはダメです。健康被害が出ます。どうやったら止められる?正しい認識が普及するのを待っても遅い。これらの会社株主の方は総会で疑義紹介かけて下さい。自分も株主になるか。利益だけ考えてるなら、健康被害出てから訴訟になったら、会社に損害出るって分かってもらうのがよいとは思うが。 https://t.co/SKUbO05Cx5
— Toyoshi (@toyosh) January 16, 2021
当たり前ですが、空間除菌というものは原理的に不可能。ウイルスだけ殺して人の肺を傷めない便利な製品は存在しません。従って、WHOも厚労省も認めていません。空間除菌の効果を謳うのは誇大宣伝で、薬機法や景品表示法に反する違法行為です。https://t.co/fIw8pC2IjJ
— やさしい皮膚科医 (@S96405539) January 17, 2021
クレベリンに予防効果なし、とブログに書いたら削除しろ!!とのメールが舞い込んできている。じゃあ、効果あったことを証明できる質の高い研究あるの?→クレベリンでコロナウイルスが防げる、はエビデンスがあっても信頼度に問題あり!! https://t.co/NSR0xno5OH @kuwamitsuosamuから
— 桑満おさむ (@kuwamitsuosamu) March 9, 2020
かかりつけのクリニックにクレベリンが置いてあって、診察後の世間話で「先生なんでまたクレベリンなんて置いてあるんです?」と聞いたら「患者さんがこれ見て安心するんですよ、もちろん中身は捨ててあります」と返ってきたのでよくわからない顔になったまま10ヶ月が経つ
— Anima Vagus (@A_Slobbe) January 20, 2021
「宣伝のために病院に配布」ネットで非難の声も
大幸薬品の善意に対し上がるのが善意の声だけでない背景には、以下の事実による影響を受けているものと見られます。
「二酸化塩素の臭気による体調不良者の発生」
「粘膜・呼吸器系への害の恐れがある」
「厚生省が空中撒布を推奨しておらず、健康被害の恐れがあることを提唱している」
「提示しているエビデンスは自社調査のもので、第三者機関を通していない」
「製品が医薬品として認められていない(雑貨に分類される)」
一言で言えば「成分自体に強い除菌効果があるものの、空間撒布・人体への使用は推奨されておらず、健康被害の恐れがある」と言っても良いでしょう。
なお、人がいる環境に、消毒や除菌効果を謳う商品を空間噴霧して使用することは、眼、皮膚への付着や吸入による健康影響のおそれがあることから推奨されていません。出典:厚生労働省「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」
二酸化塩素(ClO2)ガスは次亜塩素酸ナトリウム(ミルトン、ハイター等)の約2.5 倍の酸化作用を有し、芽胞を含むすべての微生物に有効である。
しかし、診療所内などの環境消毒に二酸化塩素ガスを使用することは毒性及び効果などの点において勧められない。
なぜなら、本ガスが眼や呼吸器系の粘膜を刺激して、咳嗽や喘息などの原因となる危険性があるからである。また、汚れが付着した環境に対するガス燻蒸法の消毒効果は弱い。さらに、本ガスは金属やプラスチックの劣化作用を示すからである。
従来の伝染病予防法ではガス燻蒸や噴霧などの消毒法が推奨されていたが、1999 年施行の感染症法では、これらの消毒法は推奨されていないことに留意したい。出典:公益財団法人 日本学校保健会
大幸薬品は16日、主力の空間除菌剤「クレベリン」シリーズの一部製品を全国の医療機関に無償で提供すると発表した。クレベリンの置き型、ミニスプレー、胸ポケットなどにさして携帯できるスティックの3タイプが対象で提供総数は計12万個。新型コロナウイルスの感染拡大による衛生意識の高まりでクレベリンは品薄状態が続いていた。2020年11月に大阪府茨木市で新工場が稼働したことで十分な供給体制が整ったため、これまで品薄で手に入らないとの声が多かった医療機関への大規模な支援を実施する。
安全性について国が認めていない以上は、一定の非難は避けられない見込み。
さらに病院に送ることで製品の信頼度が上がることも予想され、「こういう戦略では」「宣伝に利用しているのでは」と言った声も聞かれます。
ネットの反応
デントジアも相変わらず噴霧してるし。
昨年末辺りからFree-100miniという新兵器も導入されてる。
クレベリンに対する反応の乖離がすごい。
行政は否定。
Twitterなどではほぼ拒否。
「9割以上の医師がオススメ」。
Amazonの星は多い。
病院や施設で見かけることもある。
神田伯山の師匠も首掛けタイプをしていた。
たぶん売れている。
今日も誰かが買って玄関に置いている。