八代亜紀さんの「特典写真」付きCD発売に怒りの声続出、不買呼びかけも…なぜ止められないの?

2023年12月に亡くなった演歌歌手・八代亜紀さん。

数々の名曲を八代さんの古巣レコード会社が”追悼アルバム”としてリリースを発表しましたが、これに世間から怒りの声が上がっています。

話題となっているのは、今月21日に発売予定の「八代亜紀 お宝シリーズ 第一弾 忘れないでね」。なんとレコード会社の独断で封入特典に八代さんの「フルヌード写真」を採用したというのです。

特典に「ヌード写真」?レコード会社の発表に驚き・怒りの声

CDを発売するのは「ニューセンチュリーレコード」という会社。4月21日発売のアルバムには、八代さんの代表曲「舟唄」や「夢芝居」などが収録されていて、一見するとごく普通の追悼盤…かと思いきや、話題になったのは【封入特典】。

このアルバムには、「八代さんが24~25歳の頃のフルヌード写真2枚」が同封されているといいます。

ニューセンチュリーレコード

公式サイトでは、今回のアルバムについて

「お宝として、八代亜紀が24〜25歳の頃に、当時同棲していたT社のNディレクターによってポラロイドカメラで撮影されたフルヌード写真2枚が掲載されています。八代亜紀の初めてのヌード写真です」

と説明。

この“特典写真”について、レコード会社側は「本人の同意を得て撮影されたものであり、すべての権利は当社にある」と主張しています。

一方で、八代さんの元所属事務所は「商品化や特典写真としての使用について、事前に一切の許可申請は受けていない」と憤りをあらわにしており、現在、事実関係の確認に追われている状況です。

それでも、アルバムは予定通り発売される見込み。SNS上では


「企画が通ったのが異常じゃない?本人はもういないのに、意思確認もできない」

「追悼と名乗りながらこれはひどい。八代亜紀さんがかわいそうすぎる」

「不買運動を起こすべきでは?」

など、批判の声が続々と寄せられています。

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「生前、八代さんは肌の露出を嫌がっていた。こんな写真を本人が望むわけない」

「これはリベンジポルノではないの?」(SNSより引用)

生前の八代さんは温泉番組などでも“肌を見せる”演出を断っていたと言われており、そうしたイメージを壊しかねない、無慈悲なレコード会社の態度に非難が集まっています。

“追悼”という名のもとにアルバムをリリースし、話題性の高い「ヌード写真」を特典にするという、センシティブな手法に踏み切った背景には、再び経営資金の確保という切実な事情があると見る声も少なくありません。

八代亜紀さんが在籍していたレコード会社「ニューセンチュリーレコード」は、過去に業績不振により経営が悪化。

八代さんが大手レーベルへ移籍したことで人気の柱を失い、最終的に多額の負債を抱えることになったといいます。同社は資産として八代さんの過去の音源(原盤)や所有していた写真などをまとめて購入。

SNSでは、一儲けしようとする下心や、モラルの欠如に
「八代亜紀さんの歌は聴きたい。けれど、こんなのがついてくるなら、買わない。買えない」

「尊厳を無視した醜い男たちが金に目がくらんだか…

「フェイク画像でも捏造されかねないこの時代に、こんなリリースを許していいのか」

といった怒りや悲しみの声が相次いでいます。

そもそも、このCDって本当に合法なの?

ここまで問題になっているのに、どうしてCDの発売が止められないのでしょうか。
実は、この問題にはいくつかの「法律的グレーゾーン」が存在しています。もし違法性を指摘できるのであれば、次のようなものが考えられます。

1. プライバシーの侵害

たとえ写真の所有権がレコード会社にあっても、本人が公開を望んでいなかった場合、「プライバシー権の侵害」に当たる可能性があります。特に、亡くなった後も“遺族の心情”が大切にされるのが日本の考え方です。

2. 名誉毀損や侮辱罪

本人の意向に反する形で過去のヌード写真を公表することは、「故人の名誉を傷つける行為」として民事上の損害賠償請求や、場合によっては刑法上の侮辱罪にあたる可能性もあります。

3. リベンジポルノに該当する可能性も

「リベンジポルノ等防止法」は本人の同意なく、性的な写真や動画を公開した人に対して罰則を科す法律です。今回は“過去に同意があった”と主張されていますが、「現在の公開」が本人の意志によらないものであれば、違法とされる余地があります。

八代亜紀さんは、長年にわたって日本の音楽界で活躍し、たくさんの人に感動を与えてくれました。
だからこそファンは「その人らしさを大事に遺してしてほしい」と願っています。

“お宝”という言葉で話題を集めるよりも、“心からの感謝”が伝わる追悼を。
今一度、レコード会社にはその意味を考えてほしいところです。